花の魔法少女 

minonライル

一章 新しい日常と黒い怪物

第1話 幼馴染

 ——あるところに、『魔人』と『妖精』と呼ばれる存在がいた。

 魔界と呼ばれる世界と、妖精界と呼ばれる世界。そして、人間界の三つがあった。イメージ的には、魔界と妖精界の間にあるのが人間界。

 魔人は妖精界に入りたいが、どうやっても人間界に入らざる負えない。それを知った妖精は、何とか魔人を食い止めようとするも、力の差でほとんどが負けてしまうのだった。そのため、妖精は人間たちの力を借りて、魔人を倒そうとする。

 魔人と妖精の戦いは続いていた――


「はぁー……」

 場所は学校の図書室。椅子に座り、教科書を片手にため息をつく男子生徒の名前は、日暮蓮人ひぐれれんと。ルックスは平凡で、学校では落ちこぼれと呼ばれていた。

 壁掛け時計は、既に午後の4時を指していた。

「うーん……」

 今度は唸るような声を出し、頭をクシャクシャと掻きむしった。

「……ダメだ。絶対、終わるはずがない」

 一言ぼやくと、ついには机に突っ伏し始めた。


「あー!こんなところにいたー!」


 と、図書室の扉が勢いよく開いたかと思うと、そこには蓮人を指さしながら驚いたような顔をしている女子生徒、立花玲華たちばなれいかが立っていた。蓮人の幼馴染で、正統派の黒目黒髪ロング。成績優秀で容姿端麗なため、非常にモテている。

「……騒々しいなぁ」

 蓮人はそう言いながらその場で背伸びをする。

「はぁ、やっと見つけたよ。もう、どこにいるのかと心配だったんだよー?」

 玲華はそう言って、蓮人の隣に来て座った。

「悪かったよ。というか、なんで俺のことを探してたんだ?」

「だって、課題がなんとかって言ってたでしょ?それで、私が手伝ってあげようと思って来たんだけど……教室にはいなくてさ」

「ああ……ごめん玲華。そう言えば、そうだったな。課題があるから手伝ってくれって言ったの俺だった」

少し申し訳ないように軽く頭を下げた蓮人。

「ううん、大丈夫だよ。連人は、もっと私に頼ってもいいのにー」

「いやでも……そんな迷惑かけられないよ」

「そうかなぁ?私は、一度も迷惑だなんて思ったことないけど?」

 少し笑いながらそう言って、大丈夫だということを蓮人に伝える。

「今思ったけど、別に図書室じゃなくても良かったんじゃない?」

「まあ、そうかもしれないけど、ここの方が集中できるっていうかさ……」

「そーお?ま、蓮人がここがいいって言うなら、別にそれでいいけど」

「とにかく、さっさと課題を終わらせて帰りたいんだ。手伝ってくれるか?」

「もちろん!」

 

 蓮人は玲華のおかげで、無事課題を提出することができた。




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