第33話母へ

記憶の旅に出て帰ってこなくなった

その人に名前は無い

平凡な人間だ

枯れた花を眺め

貴方を失い

時は止まった様だ

枯れて儚い花の名を理解して

本当の苦しみを得る

その花の名を知らない

苦しんだ家の花の名を

その花の名を僕は知らない

時は止まり花は枯れん

時間は進み

皆の声は聞こえなくなった

一人取り残された訳ではない

その花の名は僕が知っている物だ

過去に在った名を刻み

今に在る世界を披露する

去り逝く花の名を知らん

刻んだ音の牙を知り

無形な花を眺め

消えた遠い日の面影

去った人間の後を追う必要はない

一対の花の名

そこになく

そこに在るような花の名

全てを消してプライドを得る

失くした失われた言葉を再興させる

その輝きを得て蘇る

瞬間回復して

世界を背負うその名は無い

輝いた証に貴方の名を得る

超えた世界を眺め

本当の奇跡を得る

全ての奇跡がぶつかりあい成功する

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