第30話鎮魂歌
声が聞こえる
葛藤なのかもしれい
何室もの部屋が
この家にはあった
窓辺には花瓶が置かれ
樹海の静寂のよう
静まり返った
家には
魂が並べてある
暖炉は熱く
燃え盛っていた
今は判らないけれど
誠実なる青年は
深い眠りに着いて
歳を重ねる為の歴史を
栞に挟み
また夢を観て
夢を見て
栞は小さな部屋に
置いてある
花瓶だった
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