第19話
葬儀は亡くなってから4日後に行われることになった。
葬儀の準備で父も帰ってきていたがあまり話した記憶はない、食事をコンビニに買いに行くときに少し会話をしたくらいだった。
葬儀までの4日間は曾祖母の遺体の横に布団を敷いて張り付いて動かなかった。
どうしても受け入れられなかった気がしたのと同時に、あまり亡くなったという実感がわかなかった、死亡報告を聞いてから1回も泣くことはなかった。
曾祖母の死亡報告を受けて、近所の住人やほとんど縁のない親戚たちが来てお葬式が開かれた。
あまり他の人には興味がなくて、祖母が骨になって帰ってきたときに、骨壺に骨を移すために摘まんだときに涙があふれてきた。
もう曾祖母は優しくしてくれないし、一緒に寝てもくれないのだ。
とても寂しかった。
帰ってきてしばらく、学校を休むことになったのは覚えていて、どう過ごしていたのかは全く覚えていない。
曾祖母の死後から祖母から私への当たりが余計に強くなったのだけは事実だ。
「お前のせいでおばあちゃんは死んだ!!!お前が一緒に寝ているから狭いベットでおばあちゃんは窮屈そうだったし、おばあちゃんが分別していないと思っておばあちゃんを叩いていたが、本当はお前が分別していなかったんだ、本当は水を被った時もただ被っていて拝んでなんていなかったんじゃないか!!!お前のせいだ!!!」
すごい剣幕で怒鳴り散らしていた。父は別の部屋にいるんだろう怒鳴り声が家中に響いているが出てこない。
叩かれても反抗する気も起きなかった、曾祖母が亡くなって もう全部どうでもよくなったのだ。
平日のお昼ごろ、何も言わないで何も考えないで家を飛び出した。
ひたすら河原沿いを歩いた、何も考えないでひたすらずっと歩いた。
向こう側から怪訝な顔をしたおじいさんが歩いてきて
「こんな時間になにをしているんだい?」
「家にいられないから散歩してるだけです。」
「でも、この時間は学校だろう?」
「学校は今お休みしてるんです、ひいおばあちゃんがなくなったから。」
「それでこんなに寒いのに、薄着で歩いているのは…とにかくちょっとおいで。」
誘拐犯かとも一瞬頭をよぎったけど、誘拐でも殺人でもなんでもよかったし、現状を楽にしてくれるならと思った。
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