首都アカハガネ
首都アカハガネ。巨大な山を半分くりぬくようにして作られた町。
山の中腹に落ちた隕石が作り出したクレーターを、そのまま鉱山として開発したのがこの町の始まりらしい。ややホコリっぽいざらついた空気なのはそのせいだろうか。
日時計のような、抉り削れてそそり立つ山は今にも崩れそうで怖いのだが……そこは初代国王様が魔法でなんとかしたんだそうな。魔法ってしゅごい。
町はやはり全体的にドワーフサイズ。
逆に他種族向けの店なんかは入口が大きいわけだが、大通りに面している店は大体そうだったのでここは私にとっては普通の町のように見える。
「なんか門番の人動揺してたね」
「あるじ様がおばあちゃん達から貰ったプレゼントが原因でしょうね。見る人が見れば、すぐ逸品だと分かりますから」
「うーん、騒ぎを避けるなら外しといたほうが良いかなぁ……でも折角のプレゼントだし、外したくないっ!」
かわい子ちゃん(私基準)な
空間魔法があればほぼほぼ無用だとはいえ、せめてこの国にいる間だけでもつけておくのが礼儀というもの! 多分!
え? 外しても戻ってくるんじゃないかって?
それはそれ。より上位の空間魔法の使い手である私が外そうとすれば装備したまま外すこともできるのさ。身体にちょんと触れた状態で仕舞っとくとかね。
『あのー、姐さん。アイシアさん。ドラゴンを従えてるってのも忘れないでくださいっす?』
「やっべ、それもあったわ」
「……すっかり忘れてましたが、ドラゴンでしたねアーサー君」
そういやドラゴン連れてるのも目立つんだったわ。
むしろサンダードラゴンは国の流通を妨げてた害獣として注目を集めても当然。しかもこいつがそのご本人だったわ。
『ディア君、自分って影薄いんすかね!? 所詮ザコトカゲっすかね!?』
「いやぁ、ドラゴンですしそんなことはないですよ。ええ」
『ディ、ディア君ちゃぁん! くぅーん! くぅーん!』
ディア君によしよしと慰められるアーサー君。
もう犬か猫のそれじゃん。とか思ったけど言わないでおいてあげた。
ディア君とアイシア、ついでにアーサー君には冒険者ギルドへの報告とさりげなくやっていた配達依頼の達成報告、それと宿の確保を任せておく。
で、私はというと、早速教会へとやってきた。
外部の人も来るので人間サイズの教会だったが、出迎えてきてくれたシエスタは、なんとドワーフサイズのロリっ子だった。
「いらっしゃいませ御同輩」
「あ、シエスタちっちゃい。かわいー」
「ふふふ、ドワーフ的にはこのサイズがベストなので」
地域色というやつだな。ご当地シエスタだ。
「獣人の国のシエスタはケモ耳だったりするの?」
「しますよ。ウサギ耳生えてます」
なにそれ絶対見たい。この次はそっちに行くのもいいなぁ。
「そんなことより神様がお待ちですよ、早く捧げてくださいな」
「おっと、そうだった。アイシアの里には教会なかったんだよねぇ、神棚はあったけど」
なので納品できず、神様もお預け状態だったのだ。
私は礼拝堂の一番前の席に座り、祈りを捧げる。
神様ー。
「神☆降臨! さぁ、待ちに待ってましたよカリーナちゃん! 五大老回春雌照れ靴下はやくはやくぅー!」
「五大老回春雌照れ靴下!? 人生で初めて聞くワードっすわ……」
「いいから早く出しなさい、さもなくばロリ神様である私が鐘を鳴らしてレクイエムしますよ? いいんですか?」
言ってる意味は分からんけどなんか恐ろしいのでさっさと納品しますよ。ええ。
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(以下お知らせ)
書影でましたわーーー!!! URL置いときますわね!!
https://gcnovels.jp/book/1588
ありがとうIxy先生!! 超素敵!!! みんな見て! そして買って!!
で、表紙絵をアクリルフィギュアにした限定版が
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公式ツイッターのツイートのURLも貼っときますわね!
https://twitter.com/atogozi/status/1712407811760726490
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