日常
日常は誰の目にもとまることなくおいていく。
おいてけぼりなぼくたちは、しぶしぶ歩いて日常をさまよう。
夢中で無になる。
陽の光は誰の目にもとまることなく刺していく。
焼かれてばかりのぼくたちは、くつくつ砕けて散らばる。
空中で霧になる。
木は誰の目にもとまることなく移ろいゆく。
咲いた瞬間散るぼくたちは、明日を知らない。
喪中で賽になる。
虫は誰の目にもとまることなく生きていく。
他人をまとうぼくたちは、責任を抱きかかえる。
折衷で灰になる。
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