どんなに
どんなにその日を悲しんでも、
どんなにその日を楽しんでも、
どんなにその日を憂れんでも、
太陽は勝手に出てくるし、
鳥は勝手に飛ぶし、
地球は勝手に進み続けるし、
宇宙は勝手に滅ぶ。
この世界で生きることはなんと憎いことなのか。
そう思っても勝手に生かされる。
どんなにたくさん悩んでも、
どんなにたくさん考えても、
どんなにたくさん不安でも、
店は定時に開いて閉じるし、
列車は定刻通りに動くし、
言葉は定義通りに使われる。
この世界が生きることはなんとむかつくことなのか。
そう思っても定命まで生かされる。
でも、
どんなにその日を悲しんでも、
どんなにその日を楽しんでも、
どんなにその日を憂れんでも、
太陽を背にしてあたたかく活動したほうが元気になるし、
鳥に思いを馳せたほうが元気になるし、
地球のめぐりを楽しんだほうが元気になるし、
宇宙を観たほうが元気になる。
この世界で生きることはなんと素晴らしいことなのか。
そう言い聞かせて勝手に満足する。
どんなにたくさん悩んでも、
どんなにたくさん考えても、
どんなにたくさん不安でも、
店が定時に開いているありがたさがあるし、
列車が定刻通りに動くありがたさがあるし、
言葉は定義通りに使われありがたさがある。
この世界が生きることはなんとすてきなことなのか。
そう言い聞かせて定命を生きる。
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