第10話

「椛島さん」

マリがスタバで椛島に説明した。

「なに」

「わかってほしいの」

「だから、なにを」

マリが涙ぐむ。

「泣きゃあいいってもんじゃないだろ」

椛島も涙目だ。

「三億円くれるっていうの」

「どうやったら」

「中だしさせたら」

「バカ、アンポンタン」

椛島は全身、怒りと情けなさでわなないている。

「でも」

「いいか、よく聴け」

椛島がマリの両肩を鷲掴みにした。

「なに」

「中だしさせるってことは社会的に

抹殺されるってことと同意なんだ」

「そんなことは」

「オマエはまだ何にもわかっちゃいない。

単なるバージンのアマちゃんなんだよ」

パシン。マリが椛島の頬を張った。

「勝手にしろ。もうおれは知らん」

椛島が立ち去っていつた。

マリは泣きながらその場にうずくまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る