呪いにかけられて

思うに“男”というものに対する絶対の恐怖があるのだろう

だから彼女は“女のために”という大義名分を振りかざして

男性差別やトランス差別をする これは差別ではなく区別だ、と

自分が苦しめられ続けてきたことと同じ目に世界を遭わせている


”女医“や”リケジョ“に思うところがあるっていうのに

男は“ニート”

女は“家事手伝い”


その原因は、男、だけではない

女も社会の構成員である以上、社会構造に影響を与えている

女もむろん女性差別に加担しているからこそ

彼女も男の生き辛い社会を作っている


したがって男は男で女に恐怖を抱いている

“異質”なものは何をするかわからない

だから力の理論で、暴力で捻じ伏せる

それでは自分も苦しむとわかってはいるのに


でも何にでも光と影があるもので

差別があるからこそ得をする面は確実にある

自分よりも格下に見ているから“守りたい”

自分の責任を負いたくないから“守ってほしい”


不平等だからこそ安心している

そのためには多少の犠牲はやむを得ないと

実際には“多少”どころではないのだが麻痺してる

“自分は困ってない、自分は幸せだ”と


悩みは誰にでも必ずあるものだから、

だからみんな苦しんでいるんだよ、

だから仕方がないから我慢しよう、と、

矮小化、一般化、“社会”がわからない


彼女はそれと闘っている

闘っているのだが敵を見誤っている

敵は“男”ではないし、もちろん“女の敵は女”でもない

それは“だって仕様がないじゃない”という意識だ


僕らはみんな呪いにかけられている

みんな何かの鎖に縛られて

洗脳されていない人間などこの世にいない

だからそれなら解き放たれなければならない

あなたは今のままのあなたから変わらなければならない


しかし事はそう単純ではない

“それ”に抵抗する存在も、またいるからだ

“だって面倒臭いもん”と、

呪いにかけられて

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