ママの【ママ】は僕 ~大人気アイドルVTuberにオギャりちらかす僕が、実はそのVTuberの生みの親。どんなにエロい衣装でも着させられるし、どんなに恥ずかしいセリフでも言わせることができる~
プロローグ「絶対にバレてはならない2つのヒミツ」
ママの【ママ】は僕 ~大人気アイドルVTuberにオギャりちらかす僕が、実はそのVTuberの生みの親。どんなにエロい衣装でも着させられるし、どんなに恥ずかしいセリフでも言わせることができる~
明治サブ🍆第27回スニーカー大賞金賞🍆🍆
プロローグ「絶対にバレてはならない2つのヒミツ」
教室の片隅で息をひそめる僕――クラスカースト最下位の陰キャ・
1つは、
『可愛いでちゅね~💝 バブちゃん、いっぱいおっぱい吸えまちたね💝』
イヤホンから脳内に無限にしみ込んでくる、『
ここが教室でなければ、大声でオギャりちらかしているところだ。
ヒミツの1つ目は、僕が学校に来てまでボイスを聴くほどの、大人気アイドルVTuber『明治千代子』の限界ヲタであることだ。
そしてもう1つというのが、
ムーッ
ムーッ
ムーッ
振動するスマホを開いてみれば、
『メール受信:
誰あろうこの僕こそが、VTuber明治千代子の【
🍼 💝 🍼 💝
昼休み。
手早く昼食をかき込んで、屋上に上がる。
屋上の隅っこ、給水塔の陰に回ると先客がいた。
ギャグマンガみたいな分厚いビン底メガネをかけた、三つ編みの少女。
いかにも垢抜けていなさそうな、ナゾの転校生。
その名も、
「……どうぞ」
『おずおず』というオノマトペが見えてきそうなほど遠慮がちに、千代子がスマホを差し出してくる。
受け取ると、メモ帳にびっしりと今夜の配信の台本案が書き連ねてあった。
僕は台本案を読み込んでいく。
千代子のことだ。今さら解釈不一致なんてありえない。
彼女が事前に台本案を渡してくれるのは、あくまで僕を【ママ】として――VTuber明治千代子のバ美肉制作者兼、原作小説作者として尊重してくれているからに過ぎない。
――ふと、隣で衣擦れの音。
横目で盗み見てみれば、千代子がブレザーを脱ぐところだった。
いつもぶかぶかのブレザーと猫背でごまかしているけど、千代子は胸がものすごく大きい。
でっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっかい。
続いて千代子が三つ編みを解き、高めの位置のポニーテール――サムライポニーテールにする。
うなじの白さがまぶしい。
さらに千代子が、膝丈より少し長めなプリーツスカートの、腰の部分を内側に織り込み始めた。
1段――膝がしらが見えてくる。
2段――太腿が少し出てきた。
3段――太腿が大胆にさらされる。って、えっ、まだやるの!?
4段――あ、あわわ、あわわわ!!
「どこ見とるんや、
そうして、ビン底メガネを外した千代子が――大きな二重まぶたの、ぞっとするほど顔立ちの整った超絶美少女が、嗜虐的に微笑んだ。
外見も違うが、声がまるで違う。
ややハスキーさを帯びながらも、少女性を帯びた声。
ぞっとするほど艶やかでありながら、同時にバツグンに可愛らしい声。
僕を一瞬で虜にした、VTuber『明治千代子』の声だ。
「み、見てない!」
僕は自制心の限りを尽くして視線を台本案に戻す。
「……いいと思うよ。夕方までには台本書いとくから」
千代子にスマホを返すと、
「さっすが
千代子が、両腕を広げてみせた。
そのでっっっっっっな胸がたゆんと揺れる。
「ごほうび前払い。生心音ASMR。好きやろ?」
たまらず、僕は千代子の胸に顔面から飛び込む。
トクントクントクン
トクントクントクン
トクントクントクン
あぁ、生きてる!
推して推してやまない僕の推しが、僕のママにして【娘】が、千代子が生きてくれてる! 生きて、ここにいる!
僕は千代子をぎゅっと抱きしめて、
「スーーーー~~ッ……オ、オ、オギャ~~ッ! オギャハァ~~ッ! ママァ! ママの中あったかいよ! ママの優しさに包まれて僕、今、生きてるぅぅ! クンカクンカスーハースーハー! ママァ! ママァハァ~~! う、生まれる! 生まれちゃう! ママから生まれちゃうぅ~~~~ッ!!」
僕は千代子の心臓に額を押し当てて、その振動を感じる。
たっぷり堪能したあと、
「――――ふぅ」
賢者モードになって、すっと千代子から離れる。
見れば、千代子が嗜虐的な笑みを浮かべている。
と同時に、頬を染めてもいる。
僕は、千代子なしでは生きられない。
そして千代子もまた、僕なしでは生きている意味がない。
僕は千代子の【ママ】だ。
僕は千代子に似合う衣装を好き勝手描くことができて、千代子はけっしてそれを拒まない。
僕は小説版『明治千代子』で千代子にどんなセリフだって言わせることができて、千代子はけっしてそれを拒まない。
素晴らしき地産地消。
どこまでもイビツで、どこまでもキレイな共依存のカタチ。
――キーンコーンカーンコーン
「やば、予鈴だ」
「着替える」
ふっ……長くオギャり過ぎたな。
千代子が学校での隠れみの――陰キャモードに戻っていく。
時間がないので、僕は千代子にテンポよくメガネやら髪ゴムやらを手渡していく。
千代子と同棲を始めてから、はや1ヵ月。
彼女の『変身』を手伝うのにも慣れたものだ。
けど、そうやって家にいる感覚で千代子の着替えを手伝っていたのがまずかった。
もっと用心して、時間差で屋内に戻るべきだった。
「……あれ? 何でアンタたちが一緒にいんの?」
屋上から降りてきたその先で、僕はもっとも遭遇したくない相手・
ドギツイ金髪、
膝上十数センチの制服スカート、絶妙に着崩したワイシャツ、白い生足を誇示する短い黒靴下。
ザ・白ギャルといった、僕の苦手と嫌悪を具現化したような見た目。
顔は……これがまた憎らしいことに、可愛いんだ。
でも、僕はコイツを絶対に好きにはなれない。
中学時代、僕をイジメてイジメてイジメたおした悪魔たちのトップであるコイツのことだけは、絶対に。
中学時代のトラウマが暴発して、手元が狂った。
『可愛いでちゅね~💝 バブちゃん、いっぱいおっぱい吸えまちたね💝』
千代子の授乳ボイスが大音量で流れる。
「ちょっ、神戸、はよ音消しぃ!」
テンパった千代子が、陰キャモードの見た目なのにもかかわらず、千代子モードの声を出す。
「その声……まさか」
有栖川が目を見開いた。
「いえ、
「「えっ!?」」
同時に目を見開く僕ら。
『チョコ子』というのは最古参のファンしか知らないはずの呼び名なんだ。
「カンベ、KNBって……まさか、
「「えぇ~~ッ!?」」
僕は天を仰ぐ。
よりにもよって、もっとも知られたくない相手に正体を知られてしまった。
どうしてこんなことに――さかのぼること、1ヵ月前。
🍼 💝 🍼 💝
【超美麗表紙イラスト】
https://kakuyomu.jp/users/sub_sub/news/16817330655188265332
【超美麗イラスト付きキャラ紹介】
メインヒロイン『明治 千代子』
https://kakuyomu.jp/users/sub_sub/news/16817330655188296901
サブヒロイン『有栖川 アリス』
https://kakuyomu.jp/users/sub_sub/news/16817330655188317109
主人公『神戸 耕太郎』
https://kakuyomu.jp/users/sub_sub/news/16817330655188349658
【キャラ相関図】
https://kakuyomu.jp/users/sub_sub/news/16817330655188335286
初めましての方は、初めまして!
そうでない方は、おはようござい🍆!
明治生まれ・大正育ち・令和デビューのラノベ作家・明治サブです!
実はカクヨムでガッツリ(最終話まで執筆済。キャライラスト発注)と新連載を始めるのは初めての経験でございまして、大変緊張しております。
是非、皆様に★(レビュー)でご意見をいただきたく存じます。
前画面に戻ってクリックするというお手間をいただきますが、何とぞ。
ご意見の例:
★…………イマイチ
★★………普通
★★★……面白い! 続きが気になる!
また、ご感想・文章付きレビューなどもいただけましたら、『執筆済』とは言いましたが、できる限り反映していきたく存じます。
どうか応援いただけますよう、心からお願い申し上げます!
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