13. 隠れた秀作プログレ6選【プログレ】ETHOS/OSIRIS/RAGNARÖKなど

プログレ回です。今回はあまり話題になることがない (気がする)、筆者がお気に入りのバンド/アーティストを取り上げてみました。


とはいえ、あまりにマニアックすぎるのも興醒めですし、目が届きそうで届かない微妙なラインを攻めてみたつもりです。



★隠れた秀作プログレ6選【プログレ】


ETHOS

FINCH

OSIRIS


WINDCHASE

DICE

RAGNARÖK



 筆者の好みを反映してシンフォニック系が多めです。




◆ETHOS


米シンフォ。演奏とくにGt.とBa.がYESっぽいのですが、作曲面の違いで全然別物に聴こえます。KING CRIMSONやGETNLE GIANT風のアレンジが見え隠れしつつ、結果として他に似たバンドのいない独自性を確立しています。


◇まずはこの一枚

『Ardour』(1976)

キャッチーな2ndも悪くないですが、より素直にプログレしている1stを。欧州の影響を多大に受けながら湿度抑えめのカラッとした仕上がりが好印象です。




◆FINCH


オランダといえばFOCUSやKAYAKが有名ですが、こちらは幻想的な秩序感が魅力のインストゥルメンタル。ライブ音源からも窺える演奏力は折り紙付きで、各パートが突出しながら混沌に陥らない高度なアレンジ力にも脱帽させられます。


◇まずはこの一枚

『Galleons Of Passion』(1977)

3rdにして最終作。言葉はなくとも饒舌にして流麗。卓越したメロディセンスと構成力をもって描き出された起伏あるストーリーには退屈する間など存在しません。




◆OSIRIS


バーレーンのシンフォ。歌詞が英語とあって中東っぽさは控えめで、むしろ欧州の叙情派やポンプ勢を彷彿とさせます。PFMやANYONE'S DAUGHTERをヘヴィ寄りにした印象、つまりテクニックは充分というわけです。


◇まずはこの一枚

『Osiris』(1982)

名刺代わりのデビュー盤。隠し味的に馴染んだ中東要素、交錯する複数の鍵盤、ハードロックに片足突っ込んだ強固なリズムセクションなど聴きどころ満載です。


その後も『Myths & Legends』(1984)、『Reflections』(1988)、『Visions From The Past』(2007)、『Take A Closer Look』(2020)と断続的に活動。音楽性にも殆どブレがないのは非常に信頼が置けます。




◆WINDCHASE


豪・SEBASTIAN HARDIEの後継バンド。引き続き類稀なギターセンスを披露するMario Milloは、筆者の中でCAMELのAndrew Latimerと双璧を成す叙情派ギターヒーローです。両者とも何気にボーカルも素敵なのですよね。


◇まずはこの一枚

『Symphinity』(1977)

唯一作。爽やかなシンフォに時折クロスオーバーの風合いが交じるのが特徴です。続けてMARIO MILLOのソロ作『Epic III』(1979)もオススメします。




◆DICE


英・ENGLANDにも通ずるスウェーデンの技巧派シンフォ。テクニック一辺倒ではなく、いい塩梅に肩の力の抜けたコミカルな雰囲気も魅力です。朴訥としたVo.も味わい深く、牧歌的な作風にマッチしています。


◇まずはこの一枚

『Dice』(1978)

前半の小曲群もそれぞれ違うカラーが楽しめますが、やはり後半22分の組曲が圧巻の出来。全編インストの2nd 『The Four Riders Of The Apocalypse』もぜひ。




◆RAGNARÖK


同じくスウェーデンの叙情派は、後のOPETHにも通ずるアコースティックな響き。ジャズロックとトラッドフォークが混じり合う癒しの空気感も郷愁を誘って止みません。JETHRO TULL風アプローチのフルートも程良きアクセントです。


◇まずはこの一枚

『Ragnarök』(1976)

全編インストも隙の無い1st。聴き始めて一、二曲で恋に落ちる得難き感覚。プログレ初心者の頃に迷わずジャケ買いした自分のセンスを褒めてあげたいです。


ちなみに2ndはヘヴィサイケ路線へ急転換。以降も作風はその都度大幅に変化し、完全に別物となります。活動休止から復活の6th『Path』(2008)が1stのノリに比較的近いかもしれません。




以上、今回も6組までに絞りましたが、当然ながらプログレの世界にはまだまだ知られていない良バンド・良盤が沢山あります。それらは第二弾もしくは新たなテーマで紹介できればと思います。


それから、何だかんだ注目度が高いため見送ったブリティッシュ/イタリアン勢についても、また別の機会を設ける予定です。



次回のテーマ候補はいくつかありますが、ジャンルごった煮になる予定です。




  *  *  *




以下、Spotifyのリンクです (アルバムが開きます)。


◆ETHOS『Ardour』

(見つからず)


◆FINCH『Galleons Of Passion』

https://open.spotify.com/album/1bCGp3k6oWaxqiuRcZbzEy?si=UCwYVLcsRN-RjBsgG9Xe_w


◆OSIRIS『Osiris』

https://open.spotify.com/album/2gBFXAQDdo8SEyP8PwcI6U?si=hr5PPhByS6a-ta858SI6sQ


◆WINDCHASE『Symphinity』

(見つからず)


◆DICE『Dice』

https://open.spotify.com/album/2MviB4oEivbYTzvbtCJIsX?si=qBY1HtbOSI6GKww47goA9A


◆RAGNARÖK『Ragnarök』

https://open.spotify.com/album/5Wi509PSjkuDn5JYtqfME5?si=JUp_HcZTTiuf0ALmMDvjXA



なお、本項以前の『~6選』『アルバム・オブ・ザ・イヤー』にもリンクを追加しています。ぜひご試聴くださいませ。

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