玉玉バトル結果
俺はリズムに合わせながら淡々とこなし、
高速音は手慣れていた。ほとんど中央付近で
キャッチしていた。得点がグングン上がるが、
低速音で苦戦しつつもバトルは続いた。
其れにしても火星代表のカーコはまだ余裕
がある感じに見えた。だがしかし、テンポの
最高速度に達した時カーコの異変に気付いた。
何だか表情が変わったぞ!
『まずい!こんなはずじゃ!何でまたアース
なんかに……』
カーコはそう独り言を言いながら懸命に玉
玉を操っていた。
その時…!!
『あっ!!』
カーコの玉が滑り落ちる瞬間だった。ギリ
ギリで流石テンポがズレ、ポイント減点カラ
ーになり、勝敗が俺に傾きかけた。
『こんなはずじゃ!こんなはずじゃ…ない!
私は負けない!負けてはならない!』
どうやら気持ちが乱れている様に見えた。
カーコは俺を見る余裕がなく、ただ自信が不
安に満ちた様に感じた。その時だった!
カーコの足がすくみ、腰からなだれ落ちた。
カーコの体は響んでいた。
『畜生!何で私が!畜生畜生!!あんなに上
手くいっていたのに…何故だ?何故だ?…グ
スッグスッ!…この次は絶対に負けないから
な!必ず勝ってやるからなぁー!アースなん
かに…アースなんかに……』
そう言いながら消えていった…。俺は少し
共感した。よほど自信があったに違いない。
火星代表になるには試練を乗り越えて、幾つ
もの戦いがあったはず。火星で人気のバトル
とばあちゃんに聞いていたせいか、俺以上に
頑張って掴み取って来たのであろう。因みに
俺の試練は自分の修行だけで勝ち抜いたりせ
ずバトルが出来る。これもきっと銀河和平を
任されている特権なのか?星々の中でアース
が最も最優先されている気がした。
火星のバトルが終わった…。果たして惑星
代表になった宇宙人達はこの銀河の和平とい
う意味がわかっているのであろうか?疑問が
募る。そして俺は以前までの自分でないこと
に気づき始めていた。そして俺は白い部屋に
戻っていた。
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