崩壊の序曲
余裕がなかった。
正直、妻最優先で一番に考えてた。
妻が目覚めたら
全てが元に戻るって壊れかけてる家庭を修復する
そのために、妻を倒れる前の姿に戻したい。
一度、壊れた物は二度とは戻らない。
それが、現実の厳しさを理解していなかった
回復の二文字しか考えていない
そんな私を見ていた
子供達が、私の狂気に狂った顔に恐怖していた
私と子供達には大きな溝ができていた。
この時点で、妻が倒れて2ヶ月が経過していた。
妻の意識は戻っていない。
それでも、脈も安定しているし
ICUからも出ることができた。
人間は欲深いという。
そう、妻が倒れて先生に意識は回復しないと
宣告された時は、生きていてくれたら
それだけで十分だと納得したつもりでいたが
無意識に納得できていなかった
安定したら何とか意識を回復しないか?
欲張りな考えが間違いだった。
希望も過ぎれば欲になる。
人にできる限界と可能性を過大に期待した結果
全てを失った。
ドラマやアニメと勘違いしていた。
妻に子供達の声や見舞いを沢山行けば必ず
奇跡が起きて目覚めると信じてた。
1人よがりの考えが破滅を招いた。
妻は命しか助からなかった。
自分で呼吸もできなかった。
自発呼吸の練習したが、まったくダメだった。
気管切開して呼吸を確保した。
そして、転院の話が出た。
ソーシャルワーカと転院の話は、私と義両親が参加し
義両親は妻の実家近くを希望したが、
一言でオススメできない。否定的な意見だった
私は、意識がなくても、できるだけリハビリしてくれる病院はありませんか?
複雑で辛そうな表情をしながらも札幌で探すことになった。義両親は、娘が遠く
に行くことに反対はしなかったが、、、、、嫌だったと思う
妻の転院先は直ぐに見つかった。
どうやら、民間の大きな病院だった。
実は、支払い関係が早いと次の病院がみつかやすい
という話を私の母親から聞いていた。
最初は、本当か疑心暗鬼だった。
後で納得できた。世の中、金次第とは言わないが
勉強になった。
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