B3 壁と秤 Part2(ゲーム)

<攻撃側チーム>

プレイヤー:

采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力1800 威力3 累積負傷値:8

【糸詠】攻撃力200 威力1 累積負傷値:14

手札1枚

【ウプシロン】攻撃力3500 威力6 累積負傷値:0

【シンセ】攻撃力100 威力3 累積負傷値:3

【ヨー】攻撃力100 威力1 累積負傷値:5


アイテム:

【ダイス】

【昆虫の羽】


**********


<1st ステージ>


「行き止まり?」


「あの壁、何か書いてあるよ」


5人の入った部屋には前に壁があった。

他には何も見当たらない。


"10000"


壁には数字が書かれていた。


「何だ?…」


その時、背後で大きな音がした。


「!?」


皆が振り返ると、背後からは壁が迫っていた。


「このままでは、我々は押しつぶされるぞ!」


**********


その様子を水硝クリスタルは黙って見ていた。


「(この部屋から脱出する方法が分かるか?

まぁ、仮に理解したとしても、奴らにその術があるかは分からないが…)」


**********


「あの壁に書かれている"10000"という数字は明らかに何らかのヒントだ」


「素直に考えれば、攻撃力か…。

我々の攻撃力の合計は…」


采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力1800

【糸詠】攻撃力200

【ウプシロン】攻撃力3500

【シンセ】攻撃力100

【ヨー】攻撃力100


攻撃力合計:5700


「やっと半分といったところか…」


「ただでさえ俺とヨーは攻撃力が低いのに、前の階で攻撃力も削られちゃったし…」


そうこうしている間にも、壁は迫ってくる。


「攻撃力を一気に上昇させられれば…

!」


**********


水硝クリスタルは、迫る壁に皆が追い込まれる様子を見ていた。


「(奴らもここで終わりか?…

ん?)」


前方の壁にヒビが入り、彼らが飛び出してきた。


「何!?」


**********


「はぁ、何とか助かった」


水硝クリスタル

見ているんだろう?

一応お前にも説明しておいてやる。

これが【ウプシロン】のプレイヤー効果」


**********


「あの馬か!」


**********


「【ウプシロン】はサイコロを振り、出た目に応じて攻撃力を上げられる」


【ウプシロン】

攻撃力1500 威力2 敗北値30

効果:B3以降で使用可能。

サイコロを振り、出た目の数×1000、味方全員の攻撃力を上げる。

(白い体が特徴のペガサス。

正義感が強く、正々堂々とした戦いを好む)


**********


<回想>


ウプシロンがダイスを振る。

3の目が出ると、彼は皆よりわずかに後方に下がり、翼で追い風を起こした。

背を押された仲間達は壁に向かって突進する。


**********


「出た目は3。

よって俺達の攻撃力は3000上昇し、攻撃力合計は20700となった!」


采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力4800(1800+3000)

【糸詠】攻撃力3200(200+3000)

【ウプシロン】攻撃力6500(3500+3000)

【シンセ】攻撃力3100(100+3000)

【ヨー】攻撃力3100(100+3000)


攻撃力の合計:20700


**********


「くっ…。

(まぁいい。

お前らはこの俺が直々に倒してやるよ…)」


**********


"ボーナス サイコロを振り、出た目の数値分、リーダーの累積負傷値を回復"


「おっ、ラッキー!」


糸詠はダイスを振る。

6の目が出た。


【糸詠】の累積負傷値:8(14-6)


「ここが、この塔の折り返し地点か」


「行こう」


壁の向こうには、また別の部屋があった。


<2nd ステージ>


その空間に足を踏み入れた瞬間、采漢紳シャッハ・ジェンに雷が落ちた。


「うわっ!」


采漢紳シャッハ・ジェン】の累積負傷値:13(8+5)


「何だ?

俺だけがダメージを受けた…」


水硝クリスタルの嫌がらせか?」


「とにかく、先に進むぞ。

怪しげなものもあるしな」


その部屋には天秤のような形の物体が置かれていた。

通常の天秤と異なるのは、皿が5個あること。

左から右肩上がりに、階段上にそれは並んでいる。

人が乗れるくらいの大きさだった。


「ここに我々が乗ればいいのか?

秤は重さをはかるものだが…」


「とりあえず、重さ順に乗ってみるか」


「え!

体重発表するの?」


ヨーは恥ずかしそうにしている。


「え~っとね、俺はね…」


彼が答える前に、シンセはヨーを持ち上げ、一番高い位置にある皿に乗せた。


「次に糸詠…」


糸詠はヨーの隣の皿に立つ。


「ウプシロンは一番重いよな…」


ウプシロンは一番低い皿の上に立つ。


「俺とシンセは大体同じくらいか」


「鎧を着ている分、君の方が重いのではないか?」


「確かにそうだな」


采漢紳シャッハ・ジェンはウプシロンの横に、シンセは糸詠の横に立った。


「これで…」


5人の上に雷が落ちる。


「うっ…」


采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力4800 威力3 累積負傷値:18(13+5)

【糸詠】攻撃力3200 威力1 累積負傷値:13(8+5)

手札1枚

【ウプシロン】攻撃力6500 威力6 累積負傷値:5(0+5)

【シンセ】攻撃力3100 威力3 累積負傷値:8(3+5)

【ヨー】攻撃力3100 威力1 累積負傷値:10(5+5)


「5ダメージも…」


「何度も間違えるわけにはいかないな…」


しばらく皆は黙っていたが、糸詠が口を開いた。


「そういえば、この部屋に入ってきた時、どうして采漢紳シャッハ・ジェンだけがダメージを受けたんだろう?」


「そうだな…」


采漢紳シャッハ・ジェンは考え込む。


「(なぜ俺だけが…)

!」


彼の表情が変わる。


「糸詠、お前のおかげで分かったぞ」


「まず一番高い位置に立つのは、ウプシロンだ」


ウプシロンは黙って指定された場所に立つ。


「次にシンセ、ヨー、糸詠、最後は俺…」


皆がそれぞれの位置に立つと、音を立てて扉が開いた。


「すごい!

どうして?」


「累積負傷値だ」


「累積負傷値?」


「ああ。

累積負傷値の大きさが扉を開く鍵ならば、全て説明がつく。

俺達がここに入ってきた時…」


**********


2nd ステージ開始時。


采漢紳シャッハ・ジェン】累積負傷値:8

【糸詠】累積負傷値:8

【ウプシロン】累積負傷値:0

【シンセ】累積負傷値:3

【ヨー】累積負傷値:5


**********


「俺と糸詠の累積負傷値は並んでいた。

これではこの秤の仕掛けは突破できない」


「2人の累積負傷値に差を出すために、君にダメージが与えられたのか」


「ああ。

だからといって、5ダメージも与えられるのは気分が悪いけどな」

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