第3話003「並行世界線(イフライン)——別世界線の地球」
俺はネットで色々とこの世界のことを調べてみた。
すると、すぐに多くの情報が出てきた。
それらを読んでいくと、改めてこの『別世界線の地球』が以前の地球と比べて、
そして、その魅力を生み出しているのはすべて『ファンタジー要素』によるもの。
改めて「この世界は本当に俺の知らない地球なんだな⋯⋯」と戸惑いつつも、調べる手は止まらなかった。
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1999の年、7の月、
空から恐怖の大王が降ってくる。
アンゴルモアの大王を復活させるために、
その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう。
※ノストラダムス『百詩篇』第10巻72番
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——今から遡ること25年前の1999年7月
この世界でも20世紀末の1999年に『ノストラダムスの大予言による世界滅亡』が騒がれていたらしい。俺のいた地球ではもちろん世界滅亡など起らなかったし、大きな災害などといったこともなかった。
だが、ここでは
世界各地で突如『巨大構造物』が出現したのだ。
しかも『奇妙』なことに、この巨大構造物の出現は、地中から出現したわけでもなければ、空から降ってきたわけでもなく、『気づいたらそこにあった』という⋯⋯何とも奇妙な現象だったらしい。ちなみに、この現象はいまだ解明されていない。
その後、世界各地に出現したダンジョンでは国レベルで調査が行われた。日本も例外ではなく、自衛隊を中心に各分野の学者と共に『調査隊』が結成。
まず最初の1ヶ月の調査でわかったことは、この巨大構造物は地下に深くつながる『階層構造』だったことが判明。さらにその中には『地球上には存在しない生物』が確認されると、関係者の間で「地球外生命体の侵略か!?」という騒ぎになった。
しかし、さらに調査を進めていくと、この生物は人間をみつけると追っかけて襲おうとするが、出口残り10メートルほどになるとピタッと追跡をやめたらしく、その後何度も確認して再現性が取れたということで、結果『この生物が地上に出てくることはない』ということが判明。
この発見により、とりあえず「この生物が地上に出て人間を襲うことはない」ということで関係者らはホッと胸を撫で下ろした。
その後、このような巨大構造物内だったり、その中の生物の生態が概ね判明した後、ネット上で「まるで、アニメやゲームのような世界だ」と話題になり、この巨大構造物を『ダンジョン』と呼んだり、その中にいる生物を『魔物』や『モンスター』と呼ぶようになった。
結果、このネットから広まった呼称が世界中に広まり、巨大構造物を『ダンジョン』、その中の生物を『魔物』『モンスター』と呼ぶことが世界的な公式となった。
それから、さらに調査が進んでいくと次にこのダンジョン内で『宝箱』だったり、『魔物を倒したらアイテムが出る』ことが判明。しかも、そこで見つけた宝箱の中身や魔物からのドロップアイテムが『人類のテクノロジーを超えた産物』だったため、関係者らは「ダンジョンは人類に大きな恩恵をもたらす神の贈り物」だと騒ぎ始めるとこの発見を公開せずに隠した。
関係者らはこのダンジョンがもたらすであろう『巨大な富』を独占しようと考え、情報を公開せず独自で調査を進めるもここで問題が生じた。というのも、関係者らが動かせる軍の中の特殊部隊程度の人数ではダンジョン内の強力な魔物を倒しながら進んでいく⋯⋯いわゆる『ダンジョン攻略』がすぐに手詰まりとなったのだ。
一部の⋯⋯特に現場に近い者たちからは「情報を公開して、人類全体でダンジョン攻略を取り組みべきだ!」と主張していたが、『当時の権力者』たちは自分達だけでどうにかしたいという思惑が強く、どうしても『情報公開』を許さなかった。
しかし、その『当時の権力者の一部』が顔を出して堂々と情報を一般に『
世界にその事実が漏れると、民衆のほとんどがその
結果、その隠蔽をした権力者らは社会的地位を失い、さらに最終的にはこれまで権力でやりたい放題やっていた
そうして、世界の中心は『ダンジョン』へと一気に舵が切られていくこととなる。
ダンジョンの情報が一斉に民衆に公開されると、今度はこの暴露した『新権力者たち』が中心となってダンジョン事業を展開すると、すぐに「民間の積極的介入を歓迎します!」と宣言。
この『世界ダンジョン宣言』は歴史の大きな転換点ということで歴史に深く刻まれることとなり、同時にこの日からダンジョン攻略が一気に進むこととなる。
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