(凍結) 夜

第0話 幼かった頃の君へ

夜の町と呼ばれるこの町では、夜に出歩いてはいけないという古い言い伝えがある。これは単に事故、事件防止の意味ではなく、人ではない”何か“が出る為なのだそう。そして、この話を両親から聞いたのは私がほんの小さな子供だった頃。

当時の私はまだ幼く、殆ど内容を理解できなかったのだけど、その時に見た両親の表情は真剣そのものだったのを大人になった今でも覚えている。今思えば両親の反応は“あの夜“に起きた出来事を起こさないためにあえて強く言い聞かせたのだろう。長くなったけど、この町にはいわゆる妖怪、お化けの類が夜になると現れる。昼間は人間の時間とでも言うのか…町中に妖怪、お化けの類が現れる事はない。当時の私は小学校に入学したばかりの小さく幼い…まだ”夜”を恐れる”子供”.....だった