小説を書く練習の小説

52Tellur/テルル

違わないこと

全てのことは役に立たなければいけないと思ってしまう。何か行動するのも、勉強するのも、全てには意味があって何かの役に立っているのだと。

だから君が言った言葉に首を傾げるしかなかった。


「ね、もしサメに置いた鏡が違う?」


多分深い意味はないのだろう。でもこの言葉たちの並びが普通であるかのように自信ある顔だ。2つのことで意味が分からない。


「……そう、なんだね」


どうとでもとれる言葉への回答として僕はテキトーに答えた。

君は窓の外と教壇の方を確認しながらすぐに呟いた。


「だからね、違うんだよ」

「へぇ……じゃ違うんだね」


サメが違うのか何なのか少しだけ気になったが、もうこの会話を続けていたくなかった。またテキトーに答えてしまった。

君は僕をじっと見つめてしばらくしてこういった。


「ありがとう、そういうことなら仕方ないか」


なんだ、分かってるなら最初からちゃんと言ってくれればいいのに。さて、今僕は君の役に立てたのだろうか。


(役立つ ひとこと サメ)

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