漂着
海を見張る。
船影があれば、すぐさま狼煙を焚けるように薪も組んである。
……十年。その出番はなかったが。
流れ着いたボトルに、手を伸ばす。
ペンのインクが枯れる前にはこんな物にも手紙を入れて、ここから流したものだ。
と、俺は、ボトルの中身に目をうたがい、へたりこんだ。
そこには、俺の手紙のよこに、がんばてと、こどもの字が書きそえてあった。
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