第33話 婚約
「・・・。」
とりあえず簡単に説明すると・・・
むか〜し陰陽師の家系に、妖と結婚した者が居た。
その者は、陰陽師の一族から無鉄砲と呼ばれ!一族から追放された。
しかし、その者の家系は高い霊力を持つ者が生まれる事が多かったので・・・
元々の家系とは、別々の形で妖怪退治を行なっていったのが・・・
無鉄砲家!佳くんの一族である。
しかも、佳くんの家系は昔話に出て来る。
お話し・・・人の姿にも化けられる強い霊力を持つ妖。
雪女やベビ女、鶴の恩返し。
山女などと・・・ありとあらゆる。おとぎばなしに関係していて
その妖との子供達は、熊と相撲をしたり。
犬と猿とキジを連れて鬼退治をするなど、とても霊力も力も強い者までいて
数々の偉業を残した。
その為。佳くんの一族は、追放された後や現在の払いや陰陽師の中でも一目を置かれ。
最強の一族として、君臨しているらしい。
そして、佳くんの一族は本家を出て外で暮らすと妖の奧さんを連れ帰って来るらしく。
その際は、とても喜ばれるらしい。
そして、佳くんは外で暮らしている為。
確定で妖と結婚すると決まっていた。
その為。人の姿になれる元妖怪の私を連れて来た時点で・・・
ほぼ間違いなく!佳くんと私は、結婚するらしい。
との事だった・・・
その説明で、私はイマイチ納得出来なかったが・・・
佳くんの家系では、もう私が婚約者と言う。テイで、話が進んでいる。
「・・・はぁ〜。」
私に何の説明もなく・・・話が進む。
まぁ・・・佳くんの一族らしいと言えばらしい。
こうして、私と佳くんの婚約が決まった。
佳くんとお爺さん式神達が、盛り上がっていると・・・
他の妖達もゾロゾロと集まり始めた。
そして、
「わか様!おめでとう・・・」
「オメデトウゴサイマス、ワカ様!」
「祝いじゃ!祝いじゃ!酒を持って来い!」
その掛け声で・・・
妖達が、宴の準備を始めた。
「では、料理でも用意させるか・・・」
そう言うとお爺さんは、巫女さんを呼び料理を準備させた。
そして、宴が始まると・・・妖達はドンちゃん騒ぎ!佳くんもそこに混ざっていた。
私は、その光景に圧倒されていると・・・
佳くんのお爺さんが話をかけて来てくれた。
「花子さん・・・どうじゃ。
楽しんでおるか・・・!?」
「えぇ、まぁ・・・圧倒されています。」
「そうか、そうか!それは、よかった。」
「・・・」
「ところで花子さんは、これからどうするのじゃ・・・?」
「どうするとは?」
「進路じゃよ!進路。」
「・・・」
予想外の事に・・・言葉が出なかった。
どう考えても佳くんとの結婚の婚約の事かと思い。
何年もお化けで居た為。進路など考えた事も無かった・・・
「すいません。
何年も妖として生きていた為・・・考えもしませんでした。」
私は、佳くんのお爺さんに正直に答えた。
すると・・・
「そうじゃろうな・・・
だが!こらからは、人として生きていく為。
色々と考えなくては、いかんよ。」
「はい・・・」
「花子さんは・・・何か特技とかはあるのかな?」
「特技・・・?
うぅ〜ん・・・料理とかですか・・・?」
「・・・まぁ〜・・・それも結婚生活には、必要じゃが・・・
今は、特殊な能力じゃよ。」
「はぁ・・・」
「花子さんも分かってはおると思うのじゃが・・・わしらの家系は、払いやをやっておる。
いずれは佳もその道に進む事になるのじゃが・・・花子さんは、その佳の支えになってもらいたいのじゃよ・・・」
「はい。それは、なんとなく分かっています。
しかし、私は何をすれば良いのですか?
特技といっても私は、何もありません。
今回の私の呪いを解く時ですら、佳くんに守ってもらうばかりでした。」
「意思確認をしたいのじゃ!
お主は、強くなる意思はあるのか!?
佳と共に歩んで行くつもりは、あるのか!?
と 言う事を・・・」
「あります!」
「なら、よし!
花子さん私のもとに来て、修行を受けなさい。」
「・・・しゅ、修行・・・」
私は、何も考えてなかった。
この後も佳くんと皆んなと楽しく暮らして行けると思っていたが・・・
佳くんには、進むべき道がある。
私は、その佳くんの力に少しでもなりたいと思った。
「それで・・・私は、佳くんの力になれますか!?」
「あぁ、守られるだけの存在では無くなる」
「なら、私!やります。」
「わしも最善を尽くす!
着いて来なさい。花子・・・」
「はい。先生!」
「この事は、わしから佳に話しておく・・・
君は、今日からこの屋敷に住みなさい。」
「はい。先生!
・・・って、えっ!私・・・ここに住むのですか?
佳くんとは・・・」
「お主達の卒業まで、あと数ヶ月しかない!
時間が、無いのじゃよ。」
「・・・・・・・・・わ‥わかりました。」
それから・・・
お爺様! いや、先生は・・・
佳くんと話をすると、佳くんは驚きながらも納得して帰って行った。
そうして、私の修行生活がここから始まったのであった。
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