第90話 女子会 

【sideカリン】


 今日は面白いビッグイベント!!!


 女子会!!!


 まぁ最近は飲み会とかも全然してなかったからさ。

 私の発案で目星しい女子を集めたわけよ。


 冒険者ギルドの看板娘こと、水野結。

 関西からやってきた噂の美女、梅田遥香

 冒険者の美少女コンビ(本当は三人組だけど)、湊静香&鴻上冴。


 もうね、可愛い子ばっかり集めました。

 これでもかってぐらい私のハーレム!


 そんで、最近お気に入りの赤羽の千ベロ居酒屋にやってきたわけよ。

 もちろん、女子ばっかりだから今日は貸し切りにさせてもらっちゃった。


「みやこママ、お邪魔します!」

「カリンちゃん。いらっしゃい」


 ここのみやこママがまた美人なのよ。

 和風美人?目の保養に最高なのよね。


「今日は女子の親睦を深めましょう!!!乾杯!!!」


 私が乾杯の音頭を取って、飲み会スタート。

 最初は、慣れないメンツだから仕方ないよね。

 ぎこちない感じだったけどさ。

 そこはみやこママの力を借りるってわけよ。


「うわ~これ凄い美味しいやん!」

「でしょ!みやこママの料理は最高なんだから!」


 ハルカちゃんって、やっぱり関西の人だからなのか、ノリが良い。私とすぐに意気が合って……


「「ウェーイ!」」


 肩組んで飲んじゃう仲よ。

 そんでもって女子と言えば、あれよあれ……恋バナ。


 やっぱり綺麗どころ集めたなら、恋バナするっしょ?私は聞きたい!


「誰か恋バナよろしく!私に潤いを!!!」

「私……コウに告白されました」

「ヒューヒュー!おめでとう!!!」


 サエちゃん、一番年下なのにぶっ込んでくるね~

 ここにいる三人は彼氏もいないって聞いてるよ!!

 お姉さんも最近は彼氏と、ご無沙汰だよ。


 結婚は……ないかなぁ~


「私は当分ええかなぁ~」

「おっ!なんだなんだ~意味深じゃん」

「まぁ、地元で結婚しよう思ってた人を亡くしたからなぁ~」

「あっ、ごめん」

「ええてええて、今はアベさんのお陰で、こっちに引っ越して来てんもん。そのおかげで、みんなと楽しく出来てるんやから感謝しかないよ」


 あ~、やっちゃったよ。まぁこんだけ綺麗なら、男の一人や二人いるよね。

 彼氏いないって聞いてから油断してたよ。

 しかも冒険者だもんね。珍しい話じゃないけど、それでもサエちゃんに聞かす話じゃなかったね。


「私のことはいいけど、アベさんって面白くない?」


 ナイス!ハルカ!あんたはやっぱり出来る女だよ。

 空気を重くしたのを変えるために、アベさんは最高の材料だ。


 イジったら面白い!


「分かる!アベさんは面白いよね。なんか頼りなさそうなのに、たまにスッゴく頼りになるんだよ!

 私も、モンスターパニックのときは助けられたんだ。

 私が渡した傷薬で、たくさんの冒険者を助けてくれてさ」


 不思議な人だよね。アベさんって……


「ヒデオさんは私のヒーローなんです」


 おっ!シズカちゃんが話した!

 ここまで静かで、大人しかったのにアベさんの話で参戦か?


「シズカは、ずっと言ってるわよね。でも、確かに私たちって、アベさんに二回も助けてもらったよね」


 サエちゃんもってことは、パーティー全員がアベさんに助けられたのかな?アベさんやるじゃん。


「そうなん?それなら私も一緒やん」

「えっ?」

「大阪で途方にくれてるときに、ヒデオさんが、【生きろ】って言うてくれてん。死んだ男が見られへんくなった景色を代わりに見てやれって……

 頭光らして、かっこええのんか、面白いのかわからん人やけど。メッチャ励まされて、頼りになったわ。

 だから恩返ししようと思ってこっち来てん」


 へぇ~ハルカのことも助けたんだ。

 アベさんは、色んなところで人助けしてんだな。


 まぁ、それでもアベさんのお目当ては、ユイだろうけどね。


「ユイは、アベさんの命の恩人だもんね」

「そうなん?」

「えっ……まぁ、ヒデオさんが初心者の頃に毒に冒されているのを助けて…… 死にかけて冒険者ギルドに電話をかけてきたので、お家にお伺いして毒消ししただけです」

「普通は気付かんようなことやったやん。まぁ、アベさんの専属受付として色々お世話もしてあげてるもんねぇ~」

「カリン。うるさいわよ」


 だって、ハルカとシズカちゃんばっかり……

 アベさんのカッコイイところ言うから、ユイの方がアベさんと一番長い関係なのに……


「わっ、私はヒデオさんに抱きしめてもらいました!!成人式のお祝いで、ネックレスだってもらったことがあります!」


 おお!!どうしたシズカちゃん!!!

 いきなり立ち上がって…… それ守護のネックレスじゃん。同僚にあげたって、シズカちゃんだったんだ!!!


「ふ~ん。私はキスしたで、ヒデオと」


 なんでそこで張り合ってるん???彼を亡くしたって言ってたじゃん。呼び捨てはちょっとどうなんだ?

 えっ?これって、アベさんを取り合ってる?


 アベさん禿げたオッちゃんだぞ……。


 どこがいいの???全然わかんないよ!!!


 ――バン!


 えっ?ユイ?


「あなたたち!ヒデオさんは、私が専属で冒険者として育てているんです。

 それにあなたたちは貰ってばかりですけど、私は彼のC級祝いにサークレットをプレゼントしました!」


 え~!!!ユイまでなんで張り合ってるの!!!

 あっ、お酒……ハァ~昔からユイはお酒を飲むと絡むから……


「私だって、お礼ですけどローブをプレゼントしましたよ!!!」

「プレゼントはないけど……一緒に冒険してるし……」

「それなら私だって!」


 うわ~ヒートアップしちゃったよ。

 これどうしたら……


 ――カンカンカン!!!


「お客さんたち!!騒ぐんやったら出て行ってください!」


 みやこママありがとうございます!!!


「みやこママ、ごめんなさい。ほら、みんなも謝って!」


「「「騒いでごめんなさい」」」


 腕を組んでご立腹のみやこママ…… 

 年上の貫禄っていうか、頼りになる!!!


「ええ男を取り合うんはいいですけど。

 まずは、自分を磨きなさい!最近の女は選ぶことも多いかもしれないけど…… 男が愛したくなるような女になりなさい!」


「「「はい!!!」」」


 やっぱりここに来てよかった!!!


 ありがとうございます!!!みやこママ!!!

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