第29話 ユニカ、ドラゴンになる!💕
賞金とともに渡されたコヤーナ王からの依頼状を開けてみるとこんなことが書かれていた。
「優勝おめでとう! さて、早速ですがそんなあなた様のお力をぜひともお借りしたいのです! というのも、我が娘、ミヒナ王女が今原因不明の病に冒されているのです! それであなた様にツーツンツ王国とバージセ王国の国境にあるマカハニ迷宮に行ってどんな病も吸い取ってしまうという伝説の病吸い鳥を捕まえてきてほしいのです! もし捕まえてきていただけたら、今回の10倍のお金と我が国に伝わる不思議な力を持つペンダント、ドヤーナヤーナを差し上げます! さらにあなた様のことをターヤナ王国の国王であるわたくしが勇者認定したします! ですから、どうかわたくしの願いを聞き届けてくださいませ!」
その文章を読んでいると何か重要なことを思い出せそうな気がしたのだが、何かが邪魔しているみたいでもうちょっとのところで俺はそれを掴みきれないでいた。
「どうしましょうか? 師匠! ユニカ、そのペンダントにちょっと興味があります!」
「そうだなぁ、ユニカにはこの指輪をもらったしな。ペンダントを手に入れてユニカにプレゼントするのもありかもな!」
「ほんとですか! うれしいです、師匠! では、すぐにでもそのマカハニ迷宮に向かいましょう!」
「で、そのマカハニ迷宮ってここからどれくらいで行けるんだ?」
「汽車と馬車でいくなら
「そんなにかかるのかよ!」
「大丈夫です! 師匠! ユニカに乗って行けば1時間くらいで着きますよ!」
「ユニカに乗る・・・・・・ってどういうことだ?」
「ユニカがドラゴンの姿になって師匠を乗っけてそのマカハニ迷宮まで飛んでいくんです!」
「そんなことができるのか?」
「はい! 師匠! ・・・・・・でも、あんまり目立つのは困るのですごい上空を超高速移動しますから、その格好ではちょっと寒いかもしれません。だから師匠のお洋服・・・・・・毛糸の帽子とか手袋とか厚手のコートとかあったかズボンとかブーツとかをちゃんと買ってから出発しましょう!」
「・・・・・・そんなに寒いのか?」
「寒いですよ!」
「じゃあ、ユニカも寒いんじゃないのか?」
「ユニカはドラゴンの姿になってるので大丈夫です!」
「そう、なんだ・・・・・・」
「では、師匠! 買い物デートに出掛けましょう!」
それから俺はユニカに帽子と手袋とコートとズボンとブーツを選んでもらい、それらをしっかりと着込んで再びあの山に戻り、ユニカがドラゴンになるのを今か今かと待っていた。
「では、師匠! 今からユニカはドラゴンの姿になるので、申し訳ないのですが、しばらく合図をするまで目を
「なんだ、見てちゃだめなのか?」
「だめです! 恥ずかしいので・・・・・・」
そう言って顔を赤らめるユニカがまたくそかわいいのだ!
「わかったよ! 目を瞑ってるからなるべく早くしてくれよな」
「わかりました! では、いいですよってユニカが言うまで絶対目を開けちゃだめですよ、師匠!」
それからは本当に目を瞑っていたからよくわからないのだが、再びユニカの合図で目を開けると、巨大な白い美しいドラゴンが緑色の瞳で俺のことをじっと見つめていた。
※※※
第29話も最後までお読みくださりありがとうございます!
もし少しでもおもしろいと思っていただけたら、作品フォローや★評価をしてもらえるとすごくうれしいです!
【次回予告】
第30話 初フライト💕は命懸け!?
白い美しいドラゴンとなったユニカに乗って初フライトな第30話っ!
どうぞ続けてお読みくださいませ
m(__)m
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