第8話 重力? 引斥力?
「この調子なら、重力魔法もいけるかもしれないな」
物体を浮かせる練習中、自分の身体が浮くまでに出来たところでアキラと合流した。
アキラ曰く、物体浮遊で人体を浮かせられるようになるのは、もう少し後になるものらしい。
そしてアキラから出された提案が重力魔法なるものだった。
「重力って、ニュートンやらアインシュタインやらのアレか?」
「その重力。まあこの世界じゃ重力魔法とか引斥力魔法って呼ばれている、リンが言うところのテレキネシス、サイコキネシスってやつだな」
ふむ、テレキネシスが重力魔法、引斥力魔法に属するということは、
「5のディメンションに属する魔法ってことか?」
「リンって変なところで話が早いよな」
そうだろうか? 重力が時空間に影響を与えているというのは有名だと思うのだが。
「5のディーってさ、スッゲエ難しいから使い手がほとんどいないんだよ。オレも言葉では伝えられるけど使えないしな」
ほう、そうなのか。というかディメンションはディーと略すんだな。
「何故難しいかというと、ディーは身体に引っ付いて、ちょっと先にも届かないんだよ」
アキラ曰く、基礎魔法っていうのは、1〜5の順番で飛距離が短くなっていくのだそうだ。
1のパスならコードを使わなくても相当な飛距離が出るそうなのだが、5のディーは身体に時空魔法の薄い幕が出来る程度で、それ以上先に行かないのが普通なんだとか。
う〜ん、そんなに難しいとテレキネシスを覚えるかどうか二の足を踏むな。
「でもま、とりあえずやってみるわ」
オレはそう言ってアキラからテレキネシスの使い方を聞き出す。
粗方説明してまた街に戻って行ったアキラを見送った後、テレキネシスの練習である。
アキラからテレキネシスの使い方を聞いたが、やり方は物体浮遊と変わらなかった。大事なのはイメージだ。
重力を自在に操るイメージをしろ。がアキラのアドバイスだった。さすが全く使えないだけある。ホントに使えない。
「重力ねぇ」
重力と言われて思い浮かぶのは、浅学なオレでは前述したニュートンとアインシュタインしか思いつかない。あとはリンゴと万有引力か。
「万有引力って、互いが引き合ってるってやつだよな」
ざっくりいうと、大きい引力の物体と小さい引力の物体があったとして、例えばこの石。石を地面に落とす。石は落ちているように見えるが、実際には両者、石と地面が引き合ってるだけ。っていうのが万有引力だったはずだ。
ということは、石と砂ならどうだろう。石の引力を地面より強くすれば砂が引っ付くんじゃ? …………あれ、これ磁石と砂鉄か?
重力魔法、テレキネシスは難しそうだ。
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