メラディオの厨房狭いから帰る!
「もどり~!」
「ただいまぁ~♪」
「ふぃ~買ったねぇ。」
「食材も衣類も大漁大漁!」
「いやぁ異国の買い物楽しいわー。」
JK達は箒から降りると屋敷の応接間に庭から入る。
「お帰りなさいませ聖女チハル様。」
「フルールちゃんただいまー、お話終わったの?」
「はい、問題無く・・・いえ、色々と問題は有りましたが。」
「そっか、これから大変だよね。」
「はい、しかし!ジブラロール王国との交易を考えれば些細な事で御座います!」
「いや・・・そこは並べたらダメでしょ。」
苦笑いで答える千春。
「チハルー今日どうするのー?」
「ん、一応帰るつもりなんだけどぉ・・・。」
千春はチラッとフルールを見ると悲しそうな顔で千春を見る、まるで捨てられた子犬の様だ。
「・・・えーっと、厨房借りれます?」
「はいっ!!!!!!!!」
「うぉぅ・・・それじゃ何か作りますかぁ。」
「チハルカレー!」
「私はカレーじゃない。」
美桜が手を上げながら言うと千春はさらっと流す。
「でも今日買った調味料とか食材ってカレー寄りじゃん?」
「まぁそうだね。」
「それでは!?」
「うん、カレー作りましょうかね。」
嬉しそうなフルールは自ら厨房へ案内を始める、千春達は一緒について行く・・・が。
「こちらです!」
フルールは両手を広げ厨房を見せる。
「狭いなぁ。」
「うん、コンロも2つかぁ。」
「卓上魔導コンロ使えば?」
「いや、根本的な解決になんない、狭いんだもん。」
千春はカレーやご飯、そしてデザートまでの工程を考えると、この厨房では厳しいと感じた。
「うん、帰ろう。」
「えぇぇ!!!!!!!!」
叫ぶフルールに千春は言い直す。
「違う違う、いや、違くないけど、ジブラロールの私のキッチンで作れば問題無いから。」
「えっと・・・わたくしは?」
「今日くらいジブラロールで良いんじゃん?ついて来たら。」
「はいっ!ローチ!ルシカムに報告してっ!」
「はっ!」
近衛兵ローチは返事をするとすぐに部屋を出て行く。
「それじゃジブラロールにもどりましょ~♪」
千春が言うとエンハルトはエーデルとホーキンに指示をする、ドラゴニュート達にも直ぐに伝えられ帰る準備が進められた。
-----------------
「フルールちゃん、何処かフェアリーリング作れる安全な所ある?」
「・・・何処でも宜しいですよ?」
「いや、何処でもって。」
「更地なので・・・後日そこを囲い警備致しますから。」
「あ、うん、なんかゴメン。」
申し訳なくなる千春はリリ達を連れ外に出る、リリとクゥクゥは他の妖精達と飛び回ると場所を決めフェアリーリングを作る。
「出来たわ~♪」
「沢山運べるわよー!」
リリとクゥクゥは楽しそうに飛び回り皆を呼ぶ。
「それじゃ第一陣でドラゴン達お願いね。」
「はーい!みんな入ってー!」
クゥクゥの指示でドラゴン達が何度かの移動で全員消える。
「それじゃ私達も行きましょかね~♪」
千春はJK軍団とエンハルト達に声を掛ける、そしてフルールとマトラ、ローチも一緒に入る。
「リリおっけー!」
「は~い♪」
リリが答えると皆はジブラロールに飛んだ。
-----------------
「陛下、ドラゴン達が戻りました。」
エイダンの部屋に宰相が入り声を掛ける。
「ふむ、無事に終わったのか。」
「エーデル騎士団長の話では問題無く終わったとの事で御座います。」
「そうか、エンハルトは?」
「チハル王女殿下の部屋で御座います。」
「何か有れば真っ先に来るからのぅ、エーデルの報告で問題無く終わったのだろうな。」
「はい、そうだと思われます。」
「と、言う事はメラディオ、クアータス両国との同盟も決まったのか?」
「はい、どちらも是非ともと。」
「ん?直接聞いたのか?」
「メラディオ国のフルール王女殿下が来られております、戴冠を行い女王になると言う事です。」
説明が終わり頭を下げる宰相ルーカス。
「・・・ふむ、挨拶に行っておくか。」
エイダンは立ち上がると千春の部屋に向かった。
-----------------
「チハルお帰りなさい。」
「ただいまですお母様♪」
「チハルおねえちゃんおかえりなさーい!」
「はーいただいまユラ。」
千春の部屋に顔を出すマルグリットとユラ。
「あら、何か作るの?」
エプロン姿の千春を見てマルグリットが声を掛ける。
「はい、メラディオ国で買いそろえた香辛料でカレーを作ろうかと思いまして。」
「あら、そうなのね。」
マルグリットがそう言うとソファーに座る女性を見る。
「失礼致します、メラディオ国第一王女フルール・ディ・メラディオで御座います王妃殿下。」
「あらあら、そんなに緊張しなくても良いわよ、良かったわね解放されて。」
微笑むマルグリット、フルールは緊張したまま立っている。
「メラディオの事は聞いているわ、これからの事もね。」
マルグリットはそう言うとアルデアを見る、アルデアは何でもない様にお茶を口に付けていた。
「あ、有難うございます、今後メラディオはジブラロールとの友好条約と交易を是非とも・・・。」
「エンハルト、そこは話ししたの?」
「はい、問題無いと説明しました。」
「それじゃ判を押すだけね、エイダン国王陛下ももうすぐ来ると思うわ、フルール女王陛下。」
「あ!あの!まだ戴冠しておりませんので!陛下では無いのです!」
「もう決まってるのでしょう?良いじゃない。」
クスクス笑うマルグリットは楽し気に答える。
「ヨリー、粉末機だしてー。」
「ほいよー!」
厨房では千春達の声が聞こえる。
「何か手伝おうかしら。」
「お!?王妃殿下が料理を作られるのですか!?」
「えぇ、最近ユラとも一緒にお菓子を作ったりしてるのよ?」
ユラを見ながら話すと、ユラはニコっと笑みを浮かべウンウンと頷く。
「ジブラロールでは王族も料理を・・・。」
「私は冒険者でもあったから、それなりに出来るのよ。」
「ユラはチハルおねえちゃんにおしえてもらいました!」
元気に答えるユラ。
「それじゃ何か手伝おうかしら。」
「ユラもー!」
2人は厨房に入ると香辛料の香が鼻につく。
「凄い香りね。」
「お母様、匂いがキツイんで座っててください。」
「少しくらい動いた方が良いのよ。」
「えぇぇ~。」
「ユラもおてつだいします!」
「ありゃ、それじゃユラとお母様はデザートお願いしてもらって良いですか?」
「何を作るの?」
「メラディオ産のコーヒーでコーヒーゼリーをお願いします、ユラ、クッキー作れたよね?」
「うん!シャリーせんせいにおしえてもらった!」
「それじゃシャリー直伝のクッキーにココナッツ入れて作ってくれる?」
「ここなっつ?」
「そ、コレ!」
千春の頭より大きなココナッツをアイテムボックスから取り出す。
「良い具合に熟成されてるんでココナッツミルク使った料理作るんです、その搾りかすでクッキーつくれるんですよ。」
「へぇ~、異国の食材なのに詳しいのねぇ。」
「あ、あっちにも有るんですよ、コレ。」
アハハと笑い千春は料理の準備を始める。
「千春お母さんは何したらいいかしら?」
「おかぁさんは玉ねぎお願い、その寸胴で作るから結構大量に!」
「おっけ~♪まかせて~♪」
「チハル!ナン作るから生地頂戴!」
「はいよー!」
「粉砕機準備おっけー!」
「ほいよー!」
賑やかになる厨房、そして皆は楽し気に料理を始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます