クアータス国に出発だぁ!

「それじゃ先にメラディオに行ってくるわね。」

 アルデアはそう言うと姿を消す。


「あれ?イーナは行かないの?」

「イーナはクアータスの方で蝙蝠を飛ばすのです!」

「あ、どっちも調べるのね。」

 準備を終えた千春はイーナと話す。


「アイトネ様、それではお願い出来ますか?」

『は~いママドラちゃん頑張ってね~♪』

 ドラゴン達はママドラとロイロの後ろに立つと姿を消した。


「メラディオに向かう軍はこれで良し!」

「それじゃうちらはクアータスに向かうわけね。」

「うぃー、それじゃクアータスの手前から進軍しますかぁ。」

「軍じゃないけどね。」

 残ったメンバーは千春達JK軍団、ロイロが抜けたペット達、そして妖精と精霊達だ。


「どう考えても軍より強いって言うね。」

 見回す千春は見慣れた男達を見つける。


「・・・エーデルさん何してんの?」

「・・・護衛です。」

 フルフェイスの甲冑を付けたエーデルと横にはホーキン、そして。


「ハルトも居るし!」

「今日は冒険者のハルトだ、お前達間違っても殿下とか言うなよ。」

 ハルトは狼の牙達と並んで立っていた。


「チハルちゃーん、一応エンハルト殿下から護衛任されたんだけどぉ。」

 ユーリン達は昨日の歓迎会にお呼ばれしてそのまま王宮に泊っていた。


「チハル王女殿下、俺達役に立ちませんぜ!?」

「国落とすつもりですかい?!」

「聞いてないんですが!?」

 狼の牙の男達はビビりまくる。


「大丈夫だってー、ぱーぱー・・・パトレンジャーさん。」

「チハル王女殿下、わざと間違えてますよね?ネタ尽きてません?」

「キノセイキノセイ♪」

 ケラケラと笑い誤魔化す千春。


「まぁそう言う訳だ、俺達は冒険者の護衛だ、良いな?」

「へーい、それじゃアイトネお願いしていい?」

『それじゃみんな行くわよー♪』

 アイトネはそう言うと手を振る、そして皆は王宮から姿を消した。



------------------



「ロイロ、チハルちゃんの方に行かなくてよかったの?」

「そのつもりじゃったが、どうも進軍しておる兵士を遠見の石で見るらしくてのぅ、それにミカとゼルが一緒についておる、城を落とす火力は十分じゃろ。」

 ニヤリと笑いながらロイロは返事を返す。


「それじゃあなた達、殲滅するわけじゃ無いって事だけは頭に入れておきなさい。」

 ママドラはドラゴン達に言うとロイロが続けて言う。


「攻撃に巻き込まれるバカは気にしなくても良い、逃げずに反撃してくるヤツには手加減は不要じゃ!」

 ロイロはそう言うとドラゴン達は大きく吠える。


「それじゃ行きましょうか。」

 ママドラとロイロはそう言うとドラゴンに変化し大空へ飛び立った。



------------------



「さてと。」

 アルデアはメラディオ国の街が見える平原に立っていた。


「さぁあなた達行きなさい。」

 両手を広げるとアルデアの腕から次々と蝙蝠が飛び立つ。


「フルール王女が言っていた元宰相は何処かしらね~♪」

 アルデアはフルール王女の味方と言われ教えられた宰相ルシカム・ラナムを探し始めた。



------------------



「おぉー!壁でけー!」

「結構大きな国なのかな?」

「戦争仕掛けるくらい余裕あるって事だよね?デケ~んじゃない?」

 頼子、千春、青空が遠くに見える城塞都市を見ながら呟く。


「みんな行くですー!」

 イーナは両手を広げると手から沢山の蝙蝠が飛び立つ。


「みんな頑張ってねー!」

「蝙蝠ちゃんガンバー!」

「いってらーい!」

 青空達はイーナから出て行った蝙蝠を応援する。


「チハル、このまま突っ込むの?」

 麗奈が両脇に上位精霊を連れ声を掛ける。


「突っ込むと言うか普通に歩いて行くつもりだけど?」

「門で止められるんじゃん?」

「いや、止まらずお城まで行きまーす。」

「おっけー、それじゃ突っ込んでくる兵士はオピクスさんとセルッティさんに蹴散らしてもらおう。」

「あの城門は俺がぶっ壊すか。」

「わっちもやりたいばい。」

「僕も手伝いたいです!」

 ペット達が手を上げると彩葉が声を上げる。


「イロハが行きまーす!」

 彩葉は頼子に出してもらったミスリルロボットに乗り込み元気に声を出す。


「やっぱりデッカイなぁ。」

「これ足にタイヤ付けてるから、そのまま走れるのよ。」

 彩葉は足の裏に付けられたタイヤを回し動き回る。


「これって何のロボットなの?」

「ん、コレ。」

 麗奈に言われスマホの画像を見せる頼子。


「あー!コレね!ヨリが良く歌ってる奴!」

「はいはいはい!『私の歌を聴けー!』ってヤツね!」

 大愛と日葵がゲラゲラ笑いながら答える。


「飛行機にもなんの?」

「いや、流石にそれは無い!」

「帰ったらパパさんズに言ってみたら?変形機構作ってくれそうじゃん。」

「アリだなソレ。」

 JK達は準備が出来歩き始める、その後ろからは冒険者護衛と言う名目のエンハルト、エーデル、ホーキンが、そして観光気分のユーリンとシャルル、そして場違いな空気を醸し出す野郎3人、その後ろからはフルール王女、近衛兵団団長マトラ、そしてローチと続く。


「リリ、クゥクゥ、妖精達の指示はお願いね。」

「まっかせてー!」

「おっけ~♪」

「クテトラさんは・・・おとなしくしてね。」

「俺が動いたら街が燃えるからなぁ。」

「がはははは!俺は城のド真ん中を噴火させてやろうか!」

「やめてね?マジで!」

 ネガルスがノリノリで言うのを麗奈が抑える。


「レナ、ラムンディさんは?」

 日葵はキョロキョロと周りを見渡すが木のドラゴンが見当たらない。


「もう街に入り込んでるよ、街にある植物とか木は全部ラムンディさんが掌握してるから。」

「マジで?」

「うん、植物の精霊達が待機してるから何か有れば植物に声かけてね~みんな。」

「りょうかーい!」

「何かあるか?この状況で。」

「保険が有るのは良い事だー。」

 千春、頼子、美桜が軽く返事をする。


「お?兵士が気付いたぞ。」

 ルプが千春に声を掛ける、城塞都市入口の門に兵士が集まり始めていた、そして千春達はクアータスに向かって歩いて行った。








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