温泉旅館で晩御飯!

「日本じゃん。」

 温泉に浸かりながら呟く花音。


「いいでしょ~♪」

「うん、すっごい気持ちいいね。」

「なんといっても世界樹の木で出来た浴槽だからねぇ~。」

 ポツリと呟く頼子。


「世界樹・・・?あのゲームとかで出る?」

「そそー、この世界のマナを管理している所だよ。」

「え?そんな凄い木で作ってるの?!」

「うん、管理してるドライアドさんがくれた。」

「へぇ~・・・すげぇ~、何か効能あんの?」

「・・・凄く体に良い。」

「なにその含んだ言い方。」

「万能薬弱効果だっけ。」

 美桜が言うと花音は溜息を吐く。


「もう驚かぬよ。」

「そうしてくれい。」

 温泉を楽しみ皆は部屋へ戻るとお客が来ていた。


「チハルさんこんばんは。」

「こんばんわマリーナさん、ティスケリーさん、えっと・・・旦那さん!」

「あははは、アンソルだ、お世話になってるよ。」

 フリエンツ王国女王、マリーナ・フリエンツとインパイ族のティスケリー、その夫アンソルが挨拶をする。


「あら、可愛い娘さん、お友達?」

「えっと、コレ私の友達のカノンです。」

「カノンと申します・・・ども。」

「あら可愛い、マリーナよ。」

「ティスケリーよ、こっちは夫のアンソルよろしくね♪」

 挨拶をし合うと皆は座る。


「何か御用でした?」

「いいえ?チハルさんが来てるって聞いたから挨拶に来ただけよ。」

「あらーわざわざ申し訳ないです。」

「申し訳なく無いわ!チハルさんのおかげで美味しいテンドンが食べれるんですもの♪」

「テンドン?テンドンってあのテンドン?」

 花音は横に居る頼子に話しかける。


「そ、その天丼、ティスケリーさんってテンドン女王だから。」

「なにそれ。」

 意味が分からず呆れた顔をする花音、皆は事情を知っている為クスクス笑う。


「本当に2人体制で来たんですねぇ。」

「えぇ、おかげで貿易額も倍増よ。」

「ティスケリーさん。」

「何かしら?」

「掟は?」

「・・・テンドンの前には無力よそんな物。」

「うん、そんな物で縛られる物では無いね。」

 真面目な顔で言うティスケリーとアンソル。


「2人体制って何?」

 花音はポツリと呟く。


「えっとこのお二人はクジラなのよ。」

「・・・へぇ。」

「で、こちらのマリーナさんはウィンディーネ様。」

「・・・へぇ~。」

 キョトンとした顔で返答する花音。


「思考停止したな。」

「ま、わからんでもない。」

「チハル晩御飯どするの?」

「ココで食べるよ、マリーナさん達食べました?」

「今からよ♪」

「テンドン頼んだの♪」

 嬉しそうに言う2人、アンソルも天丼のようだ。


「メニュー選べるの?」

「言えば作ってくれると思うよ?」

「カノン何食べたい?」

「いや、何があるか知らないから。」

「そこにメニュー表あるよ。」

 テーブルに置かれた冊子を手に取る麗奈、花音に渡すと花音は冊子を見る。


「・・・へぇ。」

「反応薄っ!」

「いや、読めないから。」

「そりゃそうだ。」

「レナ達読めるの?」

「読めないよ。」

「勉強してないからねー。」

「うん、そんな暇はない。」

「私ちょっと読めるけどね。」

「「「「え?」」」」

 美桜達は日葵を見る。


「あ、ちょっとだけだよ?」

「いや、あんた凄いよ。」

「うん、尊敬する。」

「うちらも覚えた方が良いんだろうなぁ。」

「皆が思ってるほど難しくないよ、覚える文字も日本語より少ないし、ただ母音が多いから発音は難しいかもね。」

「・・・ヒマリ様すげぇ。」

「うん・・・すごい。」

「日本語の方が難しいんだって。」

「サフィー日本語難しい?」

「はい、物凄く難しいです。」

「サフィーちゃん日本語覚えてるの?」

「勉強中なんだよ、もう普通に挨拶くらいは出来るよ。」

「すげ~、翻訳出来るじゃん。」

「あ、翻訳なんだけどさ、ワークスさんが出来るんだわ。」

「え!?なんで!?」

「何回か前の前世が日本人だったんよ。」

「「「「「凄いなワークスさん!」」」」」

 後ろに立つワークスを皆が見る、ワークスはニコリと微笑む。


「ワークスさんこのメニュー翻訳お願いします!」

「はい、お任せくださいカノン様。」

「様いらないんですけど。」

 花音はそう言うがワークスはスルーしメニューを読み上げた。



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「ラーメンあんのか。」

「ルノアーさんに教えたからなぁ。」

「しかも豚骨、醤油、魚介って。」

「選べる楽しさ!」

「どれも美味い!」

「豚骨お勧め!」

「うちは醤油かな。」

 ワイワイと騒ぐJK。


「うっさくてごめんなさいマリーナさん。」

「いいえ楽しいわよ?女王なんてやってるとこんな賑やかな事あまり無いから。」

 微笑みながら答えるマリーナ。


「ウチラーメン食べたくなったからラーメンにする♪」

「私もー、醤油にしよっと、あとギョウザと半チャーハン♪」

「ギョウザ良いね、うちは豚骨と餃子♪」

「え?みんなラーメンなん?んじゃ私もラーメンにすっかなぁ。」

「カノンはどうする?」

「・・・マンドラゴラおでんって何?」

 ワークスに翻訳してもらっていた花音が呟く。


「そのまんま、マンドラゴラのおでんだね。」

「美味しいよ、すっごい味が詰まった大根って感じで。」

「マンドラゴラあの叫ぶヤツって?」

「うん、超うっさいよ。」

「うるさかったねー。」

 頼子と千春はケラケラ笑い話す。


「よし、醤油ラーメンと餃子、あとマンドラゴラおでん!」

 後ろでメモを取るモリアンは注文を確認すると部屋を出て行く。


「温泉旅館に来てラーメンとか笑う。」

「良いじゃん美味しいし。」

「ラーメンの口になっちまったんだもんしゃーない。」

「マリーナさんもここで一緒に食べましょう♪」

「良いの?」

「はい、おやつも有りますよ。」

 千春はそう言うとコンビニスイーツを見せる。


「御一緒させて頂くわ!」

「是非!」

「それは?」

 マリーナとティスケリーは即答で、アンソルは首を傾げる。


「超おいしいデザートでーす♪」

「それは楽しみだね。」

 嬉しそうに答えるアンソル。


((・・・・・・・・。))

「・・・さて、恒例のじゃんけん大会かな。」

「見られてた?」

「うん、すっごい圧感じた。」

 千春に確認する頼子、それを聞くJK達。


「・・・マジか。」

「ヤバいんだって、ウチリーチ掛かってんだって!」

「負ければ良いんじゃよ?ミオどん。」

「うちもヤバいって・・・9になりたくない。」

「私も・・・もうすぐ9らしいからね。」

 大愛と麗奈が呟く。


「何ジャンケンなの?」

「某女神様を顕現させる光栄なジャンケンで御座いますことよ。」

 花音の問いかけに答える千春。


「あんたらは良いよね!もう上がんないし!」

「うっさいわ!あんたらも称号付けばいいんじゃい!」

「嫌だ!」

「だが断る!」

「はーいジャンケンしまーす。」

 千春はその場を仕切り皆と円陣を組む。


「「「「「「「「最初はぐー!ジャンケンぽん!」」」」」」」」

「あーいこーでしょ!」

 数回のあいこを挟み千春、頼子、日葵が負ける。


「くっ・・・勝ちたくない。」

「なんで・・・うちジャンケン強いん。」

 気付けば順調に勝ち進む美桜と大愛、何気に残る花音。


「「「じゃーんけーん!ぽん!」」」

「やったぁ!」

「こわぁぁ!」

 花音と大愛は両手を上げ喜ぶ。


「はい、ミオ呼んでね~。」

「・・・アイトネ様。」

『は~い♪』

「スイーツたべますかぁ~?」

『頂くわ♪』

「ウチあと何回呼んだら10になります?」

『えっとぉ・・・5回くらいで称号付くわよ♪』

「カウントダウン入ってたわぁぁ!!!」

『もう上げちゃう?』

「いや!大丈夫です!」

 楽し気に言うアイトネに千春が問いかける。


「アイトネ、そんな簡単にスキル上がるの?」

『普通なら上がらないわ、そもそも私が顕現する事が無いもの。』

「顕現するから上がるの?」

『そうよ♪スキルが発動して私が答えると成功カウントが入るの、他のスキルも似たような感じで上がるわね。』

「それじゃアイトネ呼ぶの失敗したら上がらない?」

『えぇ♪』

「どうやったら失敗するの?」

『・・・しないわよ?』

「なんで?」

『だってチハル達に呼ばれたらぜっっっったい来るわよ。』

 力いっぱい答えるアイトネ、それを聞くJK達は時間の問題かなぁとあきらめ顔でアイトネと千春をみていた。



--------------------



「ユラちゃん上手に焼けたね!」

「レンちゃんのクッキーも美味しそう!」

 2人は厨房で作ったクッキーを手に王宮を歩く。


「何処で食べるの?」

「ユラの部屋でたべよ!」

「でも、もうすぐご飯だよ?」

 2人は後ろを歩くコラリーとドロテを見る。


「少しでしたら大丈夫ですよ♪」

「その袋1つをお二人ででしたら問題ないですから。」

「はーい!」

 4人はユラの部屋に入るとソファーに座る。


「ユラちゃん、呼ぶ?」

「うん!モートさまー!」

 当たり前の様にモートを呼ぶユラ。


「やぁユラ、イーレン。」

「クッキー焼いたんです!」

「ユラもやいたの!」

「美味しそうだね。」

「どうぞ!」

 イーレンはクッキーの袋をモートに渡す、そしてコラリー、ドロテもお茶を淹れると皆で一緒に焼き立てクッキーを食べた。








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