3・・・4人目の聖女?!

「ただいまーおかぁさん。」

「お帰りなさい~♪」

 異世界に入り春恵に声をかける千春、後ろからゾロゾロとJK軍団も手を繋いで入って来る。


「ん?なんか光ったんだけど。」

 花音は猿のサンジュと首を傾げる。


「うん・・・知ってた。」

「あー、まぁ名前付けたし、スーパーでサンジュに買ってあげてたからなぁ。」

「なに?何なの?」

「えっとね、契約したんだと思うよ。」

「契約?」

「そ、私とルプ、ロイロも契約してる。」

「私はビェリーと契約してるよ~ん。」

「私は外に居る軍隊蜂のアミちゃんと契約してるね。」

「私はミカと。」

「うちはゼルと契約してる~♪」

「へぇ、コンは?」

「ん?コンは契約してないね。」

「してないです!でもずっと一緒です!」

 美桜とコンは楽し気に話す。


「へぇ、ヒマリは?」

「ん、契約してないけどクゥクゥが一緒にいるね。」

「へぇ、契約みんなしてんだぁ・・・契約するとどうなるの?」

「ん、カノンが死んだらサンジュも死ぬ。」

「サンジュが死んでもカノンが死ぬ。」

「え゛?」

「ま、うちらが先に死ぬからwww」

「サンジュは死んだらどうなるの?」

「たましいはアメノさまのところにもどるよ?」

「あ、そう言う感じなんだ、問題無いね。」

「ちょー!!!大有りじゃん!?」

「あははは、まぁ守護達の魂って強いから生まれ変わるんだよ、問題無ーし!」

 慣れた感じで言う千春、頼子達もウンウンと頷きながら応接室に移動する。


「お帰りなさいチハル、楽しそうね。」

「うん、ルプー新しい子来たよー。」

 千春は楽し気にサンジュを紹介する。


「ほう?御使いか。」

「天手力男命様の御使い様です。」

「ほぉ、そりゃ凄いな。」

 コンの説明を聞きルプが驚く。


「何が凄いの?」

「天手力男命と言えば力の象徴だ、その猿相当強いぞ。」

「そうなの?」

 千春はサンジュを見ると花音の頭にへばりつきウキウキ言っている。


「・・・強そうに見えないねぇ。」

 頼子はサンジュを見ながら呟く。


「サンジュ、俺はルプだ。」

「よろしく~!」

「御使い2人かぁ。」

「千春、忘れてると思うけど外にも居るからね?」

「あ!ヤマト君とかめきち君!」

「普段見ないよね、何してんだろう。」

 千春と頼子はカバンを収納しながら話す。


「ヤマト様でしたらメグ様の所でよく見ますよ?」

「へ?お母様の所?」

「はい。」

 サフィーナはお茶の準備をしながら話す。


「かめきち君は?」

「・・・エイダン国王陛下の所に居ますね。」

「なんで!?」

「さぁ?」

 首を傾げながら考える千春。


「ま、いっか。」

「でたよ、千春のま、いっか。」

 話をしていると扉が開き人が入って来る。


「チハル様御機嫌麗しく。」

「ノースちゃんお疲れー、いつもありがとうね。」

 入って来たのは千春そっくりに変身したノースだ。


「ち!ち!チハルが!」

「あ、初めまして、チハル様の偽物ノースと申します。」

「・・・ノースちゃん、その自己紹介はどうなの?」

 思わず突っ込む頼子。


「ミオ様から言われたのでコレが正解かと。」

「ミオー!こらー!」

「だってー!なんて言うんよ!」

「影武者とか代役とか替え玉とかあんでしょ!」

「あー・・・うん、まぁそうとも言う。」

 後ろからは普通の侍女と言われながらも普通ではない侍女2人が入って来る。


「クーネスさんトーテルちゃんおつかりー。」

「勿体ないお言葉有難うございます。」

 クーネスはニッコリ微笑みながら頭を下げる。


「クーネスさん・・・サフィーさんそっくり。」

 花音はクーネスを見て呟く。


「サフィーの従姉なんだよ。」

「クーネスさんが普通の侍女枠ってのがおかしいんだよねぇ。」

「それ言うならトーテルちゃんもなー。」

 2人の事情を知っているJK軍団が話す。


「どう普通じゃ無いの?」

 花音がポツリと呟く。


「ん、2人とも本気で逃げたモリーちゃん捕まえれる。」

「・・・いや、わかんないよ、モリーちゃんってこの子だよね?」

 ニコニコとしているモリアンを見る。


「そそ、モリーちゃん異常体質だから身体能力凄いんよ。」

「ヨリさん!その言い方は語弊があります!」

「ない!」

「異議あり!」

「却下!」

 モリアンと頼子がギャイギャイと話す。


「ヨリ着替えない?」

「あ、そうだった、モリーちゃんの相手してる場合じゃなかったわ。」

「酷いです!謝罪と賠償を請求します!」

「・・・ミオでしょコレ。」

「てへっ♪」

 美桜が教えた文言を言うモリアン、頼子はジト目で美桜を見る。


「ほら、着替に行こう。」

「へいへい、あ、お菓子どうする?」

「食べるよー、遅くなると晩御飯入らなくなるし。」

「そっか、ケーキも食べる?」

「ケーキは食後にしようかなって思ってる。」

「そだね、アイトネ様の好きそうなの買って来たし。」

『呼んだー!?』

「呼んでねーっす!」

『あ・・・。』

「ん?どうしました?」

 アイトネは頼子をジーっと見る。


『・・・えっとぉ・・・おめでとう?』

「へ?何がです?」

「ちょ、アイトネ、何がおめでとうなの!?おめでたなの!?」

「まって!そう言う事してないからね!?」

 焦る頼子と千春、そして横に居た美桜と麗奈も騒ぎ出す。


「あ~、勝負下着つけてたもんなぁ。」

「勝負したんかぁ・・・。」

「してないよ!アイトネ様!ちょっと!なんなんですか!?何がおめでとうなの!?」

 焦る頼子はアイトネに懇願するように問いかける。


『えっと・・・スキルがちょっと上がった・・・的な?』

「スキル?何か使ったっけ?」

「・・・さぁ?影魔法使いまくったから影魔法上がった的な?」

「そなんですか?」

 頼子はそう言うとアイトネを見る。


『えっと・・・今私呼んだじゃない?』

「いや、呼んではないんですけど・・・え?」

『そのぉ~チハルの次に一番呼んでるのってヨリなのよね?』

「あーそうかもしれないですね。」

『それでね、神託スキルが上がったの。』

「・・・ほう?」

『で、神託スキルが10になりましたおめでとう♪』

「・・・いやぁぁぁぁ!!!」

 叫ぶ頼子。


「ヨリ!おめでとう!アイトネ!って事はそう言う事だよね!?」

 千春はニッコニコでアイトネに問いかける。


『チハルが今考えてるのが正解ね♪』

「やったぁ!」

「やったぁじゃなぁぁい!!!」

「チハルどういう事?」

 荷物の整理をしていた青空達も話に加わる。


「ソラ、ナカーマ増えた!」

「へ?何の?」

「三人目の聖女爆誕!」

「うっそぉ!やったね!」

「ちょっとまって!アイトネ様!今皆の神託スキル幾つなんですか!?」

 頼子の次に呼ぶことが多い美桜がアイトネに問いかける。


『・・・ミオは9よ♪もう少しね!ガンバ!』

「ぎゃぁぁ!!!」

「アイトネ様私は!?まだ7ですよね?!」

 麗奈は焦りながら問いかける。


『麗奈はもうすぐ9よ♪』

「いやぁぁぁぁ!!!」

「ちょっと!チハルどういう事!?」

 話が見えない花音は千春に問いかける。


「神託スキルと言う物があります。」

「うん、私も付けられたよね?」

「はい、みんなの声が直ぐ聞こえるように神託スキル7が付いてます・・・ました?」

「へぇ、で?」

「今の話だと、このスキル使ったらレベルアップするっぽいです。」

「ふむふむ。」

「で!めでたく10になると聖女の称号が付きまーす!」

「ぅぇ~ぃ♪」

 楽し気に話す千春と青空。


「なんでこんなに皆嫌がってんの?」

「そりゃ聖女って付くと面倒事が増えるからwww」

「ほんっとめんどくさいんだって!聖女って!」

「でも聖スキルももれなく付いて来るじゃん?アイトネ、ヨリにも付いたの?」

『付いたわよ♪』

「いやぁぁ!いらないぃぃぃぃ!」

 叫ぶ頼子。


「おめでとう3人目の聖女!」

 花音は楽し気に頼子へ声をかけると、アイトネがポツリと呟く。


『3人目じゃ無いわよ?』

「へ?どういう事?」

『4人目ね。』

「え?3人目だれ?」

『3人目はソラよ。』

「・・・それじゃ2人目って誰?」

『・・・ユラ。』

「「「「「「え~~~~!!!」」」」」」

 思いもよらない名前が出て皆は叫ぶ。


『モートがね?誕生日に神託スキル付けたじゃない?』

「そう言えばユラが呼べるようにって付けてたね。」

『どうせ上がるなら一緒だろって・・・10にしたのよ。』

「・・・うん、聞かなかったことにしよう。」

「そだね、どうせ次は美桜だし。」

「どうだろうねぇ、ジャンケン次第では麗奈かもよ?」

「いや!ダイアも結構勝ってるからなぁ!」

「くっ・・・なんでうちジャンケン強いんだ!」

「チハル達が呼べば良いんよ!もう上がんないでしょ!」

「ヤダ!公平が良い!」

「道連れじゃぁ!」

「私もこっち側だからな・・・お前達も聖女になってしまえ!」

 千春、青空、そして頼子は美桜達に言う。


「青空達は今神託スキルいくつなの?」

『ダイアがもうすぐ9ね、ヒマリは8よ、ちなみにカノンは聖魔法ブースト掛かるからもっと早く聖女になれそうね♪』

 さらっと恐ろしい事を言うアイトネ、そしてサフィーナがポツリと呟く。


「皆着替えてきなさい。」

「「「「「「「「はーい。」」」」」」」」

 返事をしつつワイワイと着替えに行くJK軍団。


「いつも楽しそうね。」

 クーネスは微笑みながら呟く。


「本当に、クーネス姉様今日はどうでしたか?」

「問題無いわ、ね、ノース。」

「はい♪」

 ノースは千春の姿から元の姿に戻り今日の出来事を報告した。







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