花音説明を聞く!
「ウノ!」
「またミオかよ!」
「はいは~い回収~♪」
美桜は皆のお菓子を回収する。
「千春、カノンちゃん起きそうよ。」
「お?」
ソファーに座り花音を膝枕した春恵が声をかける。
「ん・・・。」
ゆっくりと目を開ける花音は春恵と目が合う。
「あ・・・。」
「大丈夫?」
「え?えっと・・・。」
起き上がる花音に皆は群がる。
「おはようカノン。」
「ミオ・・・私。」
「あーイロハ見て気絶したんだよ。」
美桜は彩葉を掲げて説明する。
「ひぃっ!?」
「大丈夫だよ、何もしないから。」
「何もしないわよ~?」
「えぇぇ!?」
「チハル、おやつ出来ましたよ。」
「ありがとうサフィー、ナイスタイミング。」
サフィーナが言うとサリナ達がゴマ団子や蒸した小籠包、あんまん等を運んでくる。
「さ、食べようか。」
「チハルこれ晩御飯?」
「おやつだが?」
「これ食べたら晩御飯入らなくね?」
「ちょっとだし大丈夫じゃん?」
並べられた点心と言われる部類のおやつを見ながら言う。
「あの、藤井さん?」
「あ、宮沢さんも食べてね。」
「いや・・・そうではなく・・・。」
「なに?」
千春はあんまんを口に入れながら返事をする。
「ココは何処?」
「異世界だよ。」
「・・・は?」
「い・せ・か・い、よく漫画でも有るじゃん?アレだよ。」
美桜がニコニコと話しながらゴマ団子を口に入れる。
「ほら、温かい方が美味しいよ。」
麗奈はゴマ団子の皿を手に取り花音に渡す。
「ありがとうレナ。」
キョトンとした顔で受け取る花音。
((・・・。))
「・・・見てるなぁ。」
「そりゃ見てるだろうねぇ。」
「じゃんけんな。」
「良しこい!」
「じゃーんけん。」
「「「「「「ぽん!」」」」」」
一斉じゃジャンケンを始めるJK軍団、花音はそれを大人しく見ている。
「だぁ!勝ってもうたぁ!」
「はい、ソラヨロ~。」
「・・・アイトネ様ー。」
『私呼ぶのにジャンケンするの止めない?』
「ん、女神様呼ぶ光栄な儀式なのです。」
飄々と答える千春。
『この子連れて来るの?』
「多分そうなると思う、ウカ様も問題無いって言ってたし。」
『そうね、とても綺麗な魂、前世は高位の巫女だったのね。』
「へぇ~凄いね宮沢さん。」
アイトネは千春の横にチョコンと座ると当たり前の様に肉まんを手に取り食べ始める。
「えっと・・・藤井さんその方は?」
花音は腕を軽く摩りながら呟く、腕には鳥肌が立っていた。
「ん、この世界の管理者、神様だよ。」
「・・・はぁ・・・はぁ!?」
「宮沢さんスーパーで女性見たでしょ?あの人も神様だよ。」
「え!?OLみたいな人!?」
「そ、宇迦之御魂様、お稲荷様って言われる神様だよ。」
「コンちゃんの上司でもある!」
説明に追加して言う美桜は膝に乗せたコンを撫でながら話す、コンは美味しそうにゴマ団子を食べている。
「藤井さん・・・。」
「あ、私の事はチハルで良いよ。」
「あ、うん、私もカノンって読んでくれていいから。」
「私もヨリでいいから。」
「私はソラね。」
「うちはダイアでいいよ。」
「私はヒマリで!カノンちゃんLIME交換しよ!」
「グループはどうする?」
「一緒でいいじゃん、長い付き合いになりそうだし。」
ケラケラと話すJK軍団はスマホを取り出しQRコードを読ませフレンド登録を始める。
「アイトネ、いつもの良い?」
『もちろん♪』
アイトネも自分のスマホをしれっと出しフレンド登録しながら指を振ると花音に魔法がかかる、横では春恵も登録している。
「アイトネ上位の巫女ってどんな巫女なの?」
『こちらで言う神官ね、神託スキルが5以上、私達に声が聞こえるレベルの高位神官よ。』
「それじゃカノンって神託スキル持ってるの!?」
『今は無いわね、えいっ!』
「ちょ!?」
『良いじゃない、遅かれ早かれって言うでしょ?』
「まぁ・・・って事はもう確定だなぁ。」
「確定だね、因みにアイトネ様レベル幾つで付けたんです?」
『取り敢えず7よ♪』
「取り敢えずって何?そのうち上げるつもり?」
『・・・美味しいわねゴマ団子。』
話を逸らすアイトネに千春は項垂れる。
「えっと・・・色々話が進んでるみたいなんだけど、どういう事なの?」
心配そうに話す花音。
「ん、時間は沢山あるのでのんびり説明するよ、カノン今日泊れる?」
「へ?いや家に何も言って無いし、帰らないと・・・。」
「家にお母さんいる?」
「うん、居る。」
「んじゃ電話してお泊りするって話しよう!」
「えー!?だって・・・えぇぇ。」
「私が話するわね。」
春恵はそう言うと花音に電話をかけさせ、春恵は花音の母親と話す。
「で、何か聞きたい事ある?」
「・・・あるに決まってるわ、もう色々。」
「そりゃそうだ。」
花音はそう言うと質問を始める、千春達は丁寧に、分かりやすい様に、そしてほとんどの例えがゲームだった。
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「と、言う訳です。」
「信じられない、でも・・・。」
キョロキョロと周りを見回す、そして話す蛇や狐、狼、そして猫、横には猫耳メイドが居る。
「カノンちゃん親御さんの了解もらったから今日はゆっくりしてね♪」
春恵は千春にもOKサインを出しながら言う。
「ありがとうおかぁさん、あと今の話はぜ~んぶ本当、あとついでに言うと私のおかぁさんも女神だよ。」
「新米だけれどね♪」
「なんで!?チハルのお母さん神様なの!?」
「ん、そこは色々説明が長くなっちゃうからなぁ。」
「千春、三行で。」
「日本で死んで、神様に魂保護されて、こっちに来たら女神様になった。」
頼子に言われ3行で言う千春、すると庭に風を切る音が聞こえる。
「あ、帰って来た。」
「さっき言ってた・・・。」
「そ♪魂共有してるドラゴン、ロイロだよ。」
大きく取られた窓から真っ黒なドラゴンが降りて来る、直ぐに人の姿になり部屋に入って来るロイロ。
「やっぱりそうじゃったか、友達か?」
「うん、カノンって言うの。」
「儂の説明は?」
「してるよー。」
「ロイロじゃ、よろしくなカノン。」
「あ、はい。」
大きなドラゴンを見て驚き、人の姿に変化するのを見て更に驚きを隠せないカノンはポカンとした顔で答える。
「チハル、ハルトが来ましたよ。」
サフィーナが千春に言うとモリアンが扉を開ける。
「お帰りチハル・・・はぁ。」
「ただいまハルト、なんで溜息吐くの?」
「いや・・・1人増えてるなぁと思ってな。」
「増やす予定は無かったんだけど、成り行きでね。」
「そうか、母上には?」
「まだ!」
「モリー。」
「はい!お呼びしてきます!」
モリアンは扉を勢いよく開けると一瞬で視界から消える。
「だれ?」
思わず問いかける花音。
「あれがチハルのスキピ、エンハルト王子だよ。」
「スキピ言うなし!」
「彼ピ。」
「旦那?」
「まだ結婚してないんだが・・・。」
「もう早くしろよ。」
「いやいやいやいや、せめて卒業してからでしょ!」
キャッキャと盛り上がるJK軍団。
「で?今日は歓迎会か?」
エンハルトの言葉に反応するペット軍団。
「宴か!」
「よっしゃ!のめるばい!」
「美味しいご飯もです!」
「楽しみじゃなぁ、チハルウイスキーはあるか?」
盛り上がるペット達、そして。
「う~ん、それじゃぁ腕を振るいますかぁ、カノン嫌いな物ある?」
「・・・ぴーまん。」
「おこちゃまか。」
思わず突っ込む美桜。
「千春、やっぱり歓迎会なら肉でしょ。」
「そうそう!アレがいいブラブル!」
「魔国牛も良くね?」
「いや、ここはやっぱり魔物でしょ。」
「よし!ブラブルで行こう!」
千春ははそう言うと魔物ブラックホーンブルの料理を考える。
「はい!何食べたい!?」
「すき焼き!」
「ステーキ!」
「ハンバーグ!」
「しゃぶしゃぶ!」
「はーい、今言った人はそれ担当で~す。」
「はかったな!千春!」
「よっしゃ任せろ!」
「ハンバーグくらい作れるわ!」
「こっちに来て料理めっちゃ覚えたよなぁ。」
JK達は立ち上がる。
「え?魔物って?」
「こっちの世界の肉って魔物がメインなんだよ、美味しいよ~♪」
「カノン料理出来る?」
「あ、うん、手伝ってるから。」
「えらいな!」
「ウチらと大違いだ。」
「ハルト、みんなにも紹介したいから拉致れる人連れて来て~♪」
「はははは・・・まぁ呼べば来るか。」
エンハルトはそう言うと手を振り部屋を出る、つられて立ち上がった花音は皆と厨房に行き料理を始めた。
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