海底ダンジョンだって、行くよね!
「焼けたよー!」
「はーい!」
「ごはーん!」
「良い匂いだね!」
子供達は千春の声に反応すると、直ぐに千春の元へ走る。
「チハルおねえちゃんコレ!」
「綺麗に出来たねー、ほら手洗ってね。」
「はーい!」
ユラ達に言うとサフィーナが水魔法でユラ達の手を洗う。
「良い匂いだな。」
「でっしょ~♪」
「アリンさんはい!」
「これは?」
「焼きそばだよー。」
「良い香りですね。」
「ソースの焼けた香り良いよねー。」
お皿に焼きそばをよそうとアリンハンドに渡す頼子。
「エーデルさんイカ焼きどうぞ!」
「有難うございます。」
「ハチェット様もどうぞ♪」
「ありがとうヒマリ。」
皆はそれぞれに料理を配ると自分達も料理を持つ。
「ヨリ、こんなもんやろ?」
「上等じゃん?」
タープを広げ日陰にテーブルを並べるペット達。
「いいねー、海の家みたい。」
「だよねー。」
海を見ながら皆は食事を始める。
「チハル、このカレー具少なくない?」
「ん?海の家のカレーって具入って無いじゃん?」
「いやいや!誰がそこまでクオリティー合わせろと。」
青空は千春に突っ込みながらもカレーを口にする。
「んっま。」
「でしょ。」
千春は焼きそばを食べる。
「っかぁぁあ!ビールが美味いのぅ!」
「枝豆にビール、最高だな。」
ロイロとルプはビールを飲みながら楽しそうに話す。
「ミカ、どう?」
「美味しいわ!」
天使の姿になり青空と一緒にカレーを食べるミカは嬉しそうだ。
「ゼル、焼きそばどうよ。」
「美味いな、こんな料理があるんだな。」
「うん、海の家の定番だね、夜店なんかでも定番だけど。」
大愛は悪魔姿のゼル、トラディと一緒に焼きそばを食べる。
「ルペタ食べれる?」
「おいしい!」
「よかったねぇ、ハチェット様どうですか?」
「美味しいね、これはイカなのかい?」
「はい、タレをつけて焼くだけなんですけどね。」
ルペタの口を拭きながら日葵もイカ焼きを食べる。
「千春、お昼からどうする?」
「ん、別に何も考えてないよ?」
「もう一回海中探検お願いする?」
「いいね、楽しかったから。」
「私も行くわ。」
アルデアは食い気味に言う。
「アルデア海好きになった?」
「えぇ、素敵ね、楽しいわ。」
ニコニコと答えるアルデア、普段物静かなアルデアが子供の様に答える様子を見て千春は微笑む。
「ティスケリーさんお父さん達どうにかなったの?」
頼子が横でハグハグとイカ焼きを食べているティスケリーに問いかける。
「えぇ、これからは私とあと1人付いて来る事になったわ。」
「あ、ティスケリーさんは必ず行くんだ。」
「当たり前でしょ!テンドンが待ってるもの!」
「それじゃ2人で輸送するの?」
「えぇ、迷惑は掛けない様にするから。」
ティスケリーは大きな胸を張りながら言う。
「それじゃ旅館の方に連絡しとかないとね~。」
「1人増えるだけよ、身内だし同じ部屋でも良いから。」
「そっか、りょうか~い。」
千春はそう言うと返事を返す。
「チハル様、もう一度海中探索されますか?」
「うん!みんなそれで良いよね!?」
「もち!!」
「いいよーん!」
「同じところ回るの?」
「同じ所ですと面白くないですよね・・・。」
「いや、十分たのしいけどね。」
「そうですねぇ、私達鰭族でしたら海底ダンジョンやクラーケン狩りでもするのですが。」
顎に指を当てながら呟くナラーシャ。
「海底ダンジョン?」
「はい、地上にあるダンジョンと同じ様に海底にダンジョンが御座いますが、遊びに行くと言う場所ではございませんので。」
「ダンジョン行きたい!」
「いいねー、海なら虫とか居ないんじゃない?」
「海の魔物が居るのかな?」
「大きなタコ?」
「それってさっき言ってたクラーケンじゃん?」
「クラーケンってイカじゃね?」
「え?タコは?」
「・・・おくとーぱす。」
「適当に言ってんねぇ。」
「・・・あ、タコもクラーケンだってよ。」
スマホで検索する日葵。
「あとはサメとか?」
「サメも出ます、あとはウミヘビやサーペントですね。」
「おぉーサーペントの照り焼き久しぶり食べたいな。」
レイクサーペントの照り焼きを思い出し呟く千春。
「・・・海底ダンジョンに行かれるのですか?」
「うん、ダメ?」
「セイレーン騎士団が付きますので・・・多分問題は無いかと思いますが。」
「因みに何階層有るとか分かります?」
「いえ、海底ダンジョンを攻略した者は居ませんので。」
「最高到達地点は?」
「たしか・・・24~5だと。」
「へぇそうなんだ。」
「はい、海中と言う時点で通常の冒険者には無理なので。」
「そりゃそうだ。」
説明を聞くJK軍団、するとロイロが声を掛ける。
「儂らが行くんじゃ、攻略目指すか?」
「風魔法がどれくらい通じるか知らねぇが素手でもイケるだろ。」
「わっちは影と新しく覚えた暗黒魔法でやれるばい。」
「・・・僕はお荷物です、火魔法は出せないですから。」
「コンも素手で行けば良い、そこらの魔物くらいなら余裕だろ。」
「はい!」
「それにミカとゼルも居る、問題無いじゃろ。」
ミカとゼルは頷く。
「チハル、本当に行くの?」
サフィーナが心配そうに言う。
「うん、サフィーも行く?」
「・・・行きます。」
「それじゃ着替えようか!」
「へ?」
「侍女服じゃ無理じゃん?海の中。」
「え・・・そう・・・ですね。」
「と、言う訳でー!サリナ!モリー!ナッテリー!ワークスさん!水着に着替えよう!」
「えー!」
「・・・はい。」
「・・・はい。」
「私の水着も有るのですかな?」
「ワークスさんのは男性陣に着せるつもりだった短パンあるから。」
千春はアイテムボックスから膝上までゆったりとしたボトムタイプの水着を取り出す。
「チハル、俺も行くぞ。」
「自分も行きましょう。」
「勿論私も行きます。」
エンハルトとエーデル、ホーキンが言うと、アリンハンドは苦しそうに呟く。
「わ・・・私も行きます。」
「アリンさん無理しなくて良いよ?」
頼子はアリンハンドに優しく声をかける。
「いえ、い、行きます!海底ダンジョンも気になりますし!」
「まぁ私達でも行けるくらいだし大丈夫だろうけど。」
横ではハチェット、トラディ、ステル達も話をしていた。
「私の水着もあるのですか?」
「有りますよ、全員分用意してるんで。」
「私も行きましょう、私も軍部で働く身です役に立てると思います。」
トラディはそう言うと立ち上がる。
「おこちゃま達はどうしよっか。」
「ユラも行きたい!」
「わたしも!」
「ルペタもー!」
「俺も行きたいです!ダンジョン見てみたい!」
「ぼ、ぼくは・・・いいかなぁ。」
「シュウ、海のダンジョンだぞ?この機会に行かないと一生見れないぞ?」
「・・・うん、行く!僕も行きます!」
子供達は1人を覗きウキウキで言う。
「それじゃ、全員で行くと言う事でー、どうやって行きます?」
「儂らがドラゴンになって海を泳げば良いじゃろ、魔法は掛けてもらうがのぅ。」
ロイロはミカとゼルを見ると2人も頷く。
「あとは海獣に乗っていきましょう、海底ダンジョンは広いので乗ったまま進めますので。」
「おぉ!騎乗して行けるんだ。」
「私も行きましょ♪」
話を聞いていたティスケリーが楽し気に言う。
「ティスケリー様がついていらっしゃるのであれば安心ですね。」
「そうなの?」
「はい、私達セイレーン騎士団よりもお強いです。」
「それはそうじゃろ、見た目こそ違うが種族的にはドラゴンじゃぞ。」
「言ってたねソレ、よし!それじゃビェリー!ルプ!更衣室ヨロ!」
「任せろ。」
「わかっちょるばーい!」
2人は簡易更衣室を魔法で作る。
「はい!サフィー、みんなの水着ね、こっちはハルト達ねー。」
楽し気に千春は水着を渡す、サフィーナは恥ずかしそうに水着を受け取る、そしてサリナと目が合い頷くと更衣室に消えて行った、何故かモリアンはスキップしながら入っていく。
「ほら!ハルト!早く着替えて来て!」
「・・・このままじゃダメか?」
「ダメー、海に服で入るとか邪道!」
「・・・お前俺達の水着姿見たいだけじゃないか?」
「・・・ソンナコトアルワケナイジャナイデスカァ。」
千春が言うと、JK軍団は男性陣を更衣室に押し込んだ。
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