千春の誕生日!④
「千春おっはよ~ん。」
「おはよ~ヨリ~。」
「どうしたん?お疲れじゃん。」
「んー、昨日お母様とあれやこれややってさー、その後おじぃちゃんとおばぁちゃんが来ててー。」
「は?お爺ちゃんとお婆ちゃん?」
「そ、誕生日のお祝いにルプとロイロ、あと彩葉と三珠とアイトネが呼んでくれたんだよ。」
「おー!よかったね~♪」
「うん、それでちょ~~~~っと興奮しちゃってはっちゃけちゃった。」
「それはしゃーない。」
頼子と千春は通学路をテクテク歩きながら話す。
「あ、今日泊っていいべさ?」
「いいべよ~。」
「レナとミオも泊るらしいから。」
「うぃー・・・何するの?」
「ひ・み・つ♪」
「えー!おしえろいー!」
「ダメー、サプライズだから。」
「やっぱそっちか、楽しみにしとくよ。」
「おう!楽しみにしておれい!」
キャッキャと騒ぎながら学校に到着する、そして教室に入ると更に騒がしくなる。
「チハルー!私も今日泊って良い!?」
日葵が千春を見て直ぐに話しかける。
「おはよーヒマリ、いいよー。」
「うちらも行くよー。」
「私もー♪」
大愛と青空も声を掛けて来る。
「まぁ家に泊るわけじゃないからねぇ。」
「一応千春の家じゃん?」
「王宮が?」
「でしょ?」
「・・・そうなのかなぁ。」
暫く7人でキャッキャと話していると担任が入って来る、そしていつもの日常が始まった。
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「それじゃ家に着いたらLIMEしてねん。」
「うぃーっす!」
「了解!」
「また後で!」
「ばいばーい!」
皆は家に一度帰り、いつもの様に千春と頼子2人で帰る。
「王宮どうなん?」
「どうなんって?」
「千春の誕生日でざわついてない?」
「め~~~~~っちゃ騒がしいよ。」
ケラケラ笑いながら千春は答える。
「だよねぇ、ユラの時も凄かったからね。」
「だから言いたくなかったんだけどねぇ。」
溜息まじりに千春は呟く、そして頼子とも一度別れ千春は家に到着する。
「ただいまー!」
「チーちゃんお帰り、学校楽しいかい?」
「うん!めっちゃ楽しいよ!・・・あれ?おじぃちゃんは?」
「エイダンさんの所で将棋打ってるよ。」
「マジで?お父様絶対勝てないじゃん。」
「どうだろうね、二枚落ちか四枚落ちでやるんじゃないかい?」
「なにそれ?」
「将棋のハンデだよ。」
「へ~・・・。」
千春は興味が無いのか適当に相槌を打つ。
「おばぁちゃん今日なにしてたの?」
「今日かい?ロイロちゃんに乗って王都に行って来たよ、サフィーちゃんが案内してくれたんだよ。」
「えー!?ロイロに乗ったの?大丈夫だった?」
「全然大丈夫だったよ、何故か知らないけれどチーちゃんのお婆ちゃんってすぐに言われたのが不思議だったねぇ、初めて会う人ばかりだったのに。」
「・・・誰に会ったんだろ。」
「でも凄いねぇ、チーちゃん姫様って呼ばれてるんだね。」
「う、うん。」
何故か恥ずかしくなり千春は目を逸らす。
「そ、それで、何か買ったりしたの?」
「色々買ったよ、面白い野菜やら種もあったね。」
「・・・種!?」
「日本で育ててみようかと思ってね?」
「えー!ダメだよ!外来種どころの騒ぎじゃないよ!?」
「ダメなのかい?」
「・・・多分、アイトネー!!!!」
『な~に~。』
「おばぁちゃんがこっちの野菜の種買ったんだけど!日本で育てて大丈夫!?」
『ん~・・・微妙?』
「はい!アウト!」
「ダメなのかい?」
「出来ればやめていただきたいー、あ!こっちで育てたら!?」
「こっちかい?お婆ちゃんあっちに帰るよ?」
「あー、そうだよねぇ。」
『チハル、その種多分あっちじゃ育たないわよ。』
「そなの?」
『えぇ、マナが足りないからすぐに枯れてしまうわ。』
「ありゃ、マナいるんだ。」
「だめなのかい?」
「うん。」
残念そうに種を見る文恵。
「大丈夫こっちで育てるから!出来たら持って行くよ!」
「チーちゃんが育てるのかい?」
「んにゃ?育てる子いるから。」
千春が大きな窓を開けると大きな声でアミを呼ぶ。
「アミー!」
ブゥゥゥゥンと羽音を立てながらアミとその子供達が数匹飛んでくる。
「大きな蜂だね!」
「うん、レナのペットだよ、アミ野菜の種植えたら育てれる?」
アミはコクコクと頭を縦に振る。
「大丈夫みたい、収穫したらおばぁちゃんの所持って行くよ。」
「楽しみにしておくかねぇ。」
他の買い物を見ていると頼子がやって来る、そして暫くすると美桜や麗奈、青空達も異世界にやって来る。
「お婆ちゃん初めまして!」
「チーちゃんのお婆ちゃんです、よろしくね。」
「チーちゃんって呼ばれてんだ。」
「チーちゃん私アリンさんの所いってくっから。」
「チーちゃんウチも行ってくるー。」
「チーちゃんわたしもー。」
「チーちゃん私ブルーワグ行ってくんね、レナ、リリ借りるねー。」
「チーちゃんうちも・・・。」
「チーちゃん言うなー!!!!!!!!!」
「「「「「「アハハハハ!!!!」」」」」」
皆は大笑いしながらそれぞれ目的の場所へ向かって行った。
「賑やかだねぇ。」
「うん、賑やかで楽しいよ。」
「良かった、チーちゃんいつも1人だから寂しいんじゃないかと心配してたんだよ。」
「・・・うん、今は寂しがる暇もないよ。」
ニコッと笑い千春は答える。
コンコン
ノックが鳴りサフィーナが扉を開けると、マルグリットが入って来る。
「チハルお帰りなさい。」
「ただいまお母様!」
「チハルおねえちゃんお帰りなさい!」
「ただいまーユラ。」
「お婆様御機嫌麗しく、如何ですか?この国は。」
「楽しいねぇ、チーちゃんも楽しそうで嬉しいね。」
マルグリットに微笑む文恵、マルグリットも嬉しそうに微笑む。
「おばあちゃん?」
「そだよー、私のおばあちゃん。」
「ユラです!」
「ユラちゃんかわいいお耳だね。」
ピコピコ動く耳を見て文恵は微笑む、耳を褒められユラも嬉しそうだ。
「チハル、誕生日の予定の事なのだけれど。」
「予定?」
「えぇ、皆のお祝いは午後1鐘の予定にしてるの。」
「はい、大丈夫です・・・午前中何かありました?」
「えぇ、嫌だったら断って良いのだけれど、朝2鐘頃に王宮を出てパレード、正午前に王宮に戻って着替え、午後からは貴族にお披露目、その後貴族令嬢とのお茶会の予定。」
「・・・へ?」
「第一王女の誕生日はこういう物なのよ、出来そう?」
「・・・頑張ります!」
「ありがとう、無理はさせないから。」
「いえ、大丈夫です!」
「午後1鐘からはこの部屋でのんびり過ごしてもらって大丈夫だから、ただお祝いに顔見知りが来るかもしれないわ。」
「あー、それはユラの時に見てますから。」
「フフッそうね、あの時も結構大変だったわね、今回は日が有るからあれ程バタバタしないと思うわ。」
申し訳なさそうにマルグリットが言う。
『チハル、疲れたら私が疲れを消してあげるわよ。』
「そんな事出来るの?」
アイトネはニッコリ笑い頷く。
『代謝を上げて回復させるだけよ、体調は私が見てるわ、安心してね。』
「アイさん助かるわ、よろしくお願いします。」
マルグリットはアイトネにお礼を言う、そして細かいスケジュール調整を話しマルグリットは部屋を出て行った。
「チーちゃん愛されてるわねぇ。」
「うん、すごく良くしてくれるの。」
「チーちゃんの誕生日楽しみだね、おばあちゃんも準備してるんだよ。」
「え!?なに!?」
「当日だと大変だから今みせちゃおうかしら。」
『お婆様アレ出しちゃう?』
「アイトネちゃんお願い出来るかしら。」
文恵が言うとアイトネは空間から沢山の布や箱を取り出す。
「・・・コレ!?」
「春恵の着物だよ、色々持ってきたから寸法合わせようか。」
「いいの?」
「このまま箪笥に眠らせておくのも勿体ないからね、それにこの着物の事を言ったのは彩葉なんだよ。」
彩葉は三珠と一緒に座って千春を見る。
「イロハ・・ありがとう。」
「ルプが連れて行ってくれたから。」
少し照れながら彩葉は答える。
「それじゃ着付けしてみようかね。」
「お婆様、私も見てて宜しいですか?」
サフィーナは文恵に声を掛ける。
「着てみるかい?」
「いえ、着付けが特殊だと聞いております、覚えておけばチハルに着せる事が出来ますので。」
「・・・私も覚える。」
「チハルさん!私も!」
「私も覚えておきたいですね。」
モリアンとサリナも声を掛けて来る。
「それじゃ着替えようか、ココで良いのかい?」
「いえ、ココは先ほどの様にお客が来る事が有りますので寝室の方で着替えましょう。」
サフィーナはそう言うと千春の寝室へ向かう、そして文恵の着付け教室が始まった。
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