つきのくにSS

あまぎ(sab)

つきのくに

傾いた標識と地面のすきま

指で作った眼鏡の中

水面と水中の裏表の間に


魔法を内包した生き物たちが暮らす世界がある。

魔法使いや魔女の世界。


人間が住む世界のすぐそばに

此の世と彼の世のつなぎ目に

浮島のように、それらはある。


ちいさな月の神様が作ったという小さな国。

神様のこどもの魔法使いたちが、

守り、争い、ときに街を形作り、

暮らしている。


誰かがみる夢のような世界。

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