心に風

野口マッハ剛(ごう)

プロローグ

 二人は中学のクラスメートで席はとなり同士。入学ホヤホヤの二人に接点はなかった。読書をしている。そんなところか。二人は休み時間に読書をしている。チラチラお互いに気になる。話しかけたのは森田信也からである。重本めぐみが読んでいた小説を知っているからだ。二人は読書というきっかけから仲良くなる。

 春の下校中。重本めぐみはこう言う。

「あたし、ヤングケアラーなんだ」

 森田信也はその言葉を聞いてヤングケアラーと言うものをあまり知らなかった。

 けれども、重本めぐみの笑顔が可愛かった。

 心に風、森田信也の心に風が吹くようだ。

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