010_桜並木の下で/星光かける

 作品リンク:https://kakuyomu.jp/works/16817330650518224514


 ・愚弟の感想

 運命の相手との今生の別離というものは古今東西涙を誘う王道のストーリーですよね。不朽のテーマを自分で書くという行為はとても素晴らしいと思います。

 しかし、この二人の物語というには私には二人のことがあまり分かりませんでした。なにが好きで、なにが嫌いで、なにに怒り、なにに泣き、なにを望むのか。死によって分かたれる二人が互いのことを何も知らないように読めてしまいます。

 また、なにが起きているのかが分かりづらかったことも気になります。地の文が少ないこともそうですが、5W1Hを意識してシーンの冒頭に入れておくと、より二人が実在する感覚を読者に与えることができるかと思います。

 生き死には難しいテーマですが、それだけに美しくもなりえます。ぜひこれからの作品も儚くて愛しいものを描いてください。


 ・小山の感想

 昔から余命もの、難病ものは定期的に流行りを見せてきましたが、死だけにフォーカスすると、大事なものを見失うように思えてしまいます。死に向かうまでに二人が互いに向け合った愛情や、その思い出のエモさによって、その絶対の離別の儚さがより際立つのです。「世界の中心で愛を叫ぶ」の名場面が空港で叫ぶシーンであるように、「半分の月がのぼる空」の名場面が砲台山に行きたいと里香がねだるシーンであるように。彼女たちの思い出をもっとゆっくりと綴ってほしかったなと思います。

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