014_カミサマの等価交換/宵町いつか
作品リンク:https://kakuyomu.jp/works/16817139557069061018
・愚弟の感想
ラストで、小物を使って主人公の身に起きたことを説明しようとする工夫がよかったです。
本作は兄と妹が互いのことを想い合うという点を見どころにしようとしているのだと思います。
しかし、兄と妹のかけがえのない当たり前な日常としての実感が足りず、妹の喪失も、ラストシーンの感動も読者には感じづらくなっていると思われます。
例えばですが、妹の名前を設定してあげるといいのかなと思います。名前を付けるとなると、妹というキャラクターに対する書き手側の掘り下げが進むことでしょう。掘り下げが進めばキャラクターの解像度が高まり、兄妹がやりとりをしている実感がより感じられて、読者の二人へ対する愛着を高められると思います。
・小山の感想
3部まではいい。おそらく無病息災を願った兄想いの妹と、妹の悲劇を覆さんとする妹想いの兄。二人の関係性を活かしてエモさが出ている。
ネックレスについて気になってはいたが、ここまでならまだ伏線だろうで流せた。
4部も作品にとっては蛇足に見えるが、別に入っていても構わない。
ただ、5部。ここまでで説明が全く存在しない。
今この感想を書くために5回くらい読み直して念入りに考察してやっと理解できたレベルである。兄妹の絆にエモさを見出したいのはわかるが、現状では余韻の前に理解不能さだけが前面に押し出されている。
せめて、妹の遺言をもっと直接的に「私の代わりだと思って」などの表現に変えることを手始めに、読者を意識した描写を増やしてほしい。
正直感想を書く前の時点では、設定矛盾だらけの良くわからない小説だと誤読していた。
プロの編集ですら誤読する作品を一般に流しても理解されることはないと胸に刻んでほしい。
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