第2話 戦闘:ドラゴニックフェイズ
フェイズが大きな羽を広げ、咆哮する。
フェイズは色々な姿で出現する。ドラゴン型、タコ型、昆虫型あるいは人...
「ジェイド!早くシェルターに行こう!」
ルーナがこちらへ警告する。
「中型のドラゴンか...下位魔法で十分だろう」
ジェイドはそう呟く。
「ルーナ、先にシェルターに行っておいてくれ」
「でも...」
「早く!」
ジェイドは強い言葉で言い、フェイズの元へ向かった。
たどり着くとすでに兵士が戦闘を始めていた。
すると少女の叫び声が聞こえてきた。
「誰か 助けてーーー!」
怪獣の方をみると、少女を人質のように抱え込んでこちらを威嚇していた。
これではうかつに魔法を放てば少女に危険を及ぼしてしまう。
そのため兵士、そして魔術学園の教師までも手を出せない状態であった。
「あまり目立つことは好きではないが、1人の少女の命が危ないのならばしょうがない」
ジェイドは失われた故郷を思い出しながら、兵士よりも前線に出て魔法を詠唱し始めた。
「拘束魔法<バイズ>」
すると、たくさん小さな次元の穴から糸が出現し、怪獣を絡める。
グァァ ギェアァァァァァ
怪獣が動けなくなり、暴れている。
そのとき、少女をつかんでいる手の力が緩んだことをジェイドは見逃さなかった。
「高速座標移動魔法<ジッド>」
ジェイドと怪獣の手の元に、2つのポータルが出現した。
そしてポータルを通り少女を見事に救出した。
少女はショックで気絶しているものの、特に目立った外傷はない。
それを見ていた兵士、そして教師がジェイドに賞の声を浴びせる。
「素晴らしい!よくやった!」
「あいつ何者だ...?」
ジェイドは冷静に言った
「まだ終わりではありませんよ皆さん」
少女は救えたものの、フェイズはまだ拘束されたままである。
そしてこの戦い最後の魔法を唱えた。
「連段:<バイズ/スパイン>」
これまでフェイズを拘束していた糸が、強大な力で引っ張られる。
するとそのままそいつを切り裂いた。
それにしてもずいぶんとバイズが効いていたいたような気がする。
ジェイドは気のせいと思いながら救護係に少女を運びそのまま去った。
~その後~
「上級魔法のバイズを使いこなすとは」
「誰だ 奴は」
「新入生の無属性使いです」
「無属性ごときに手柄を取られたか...」
ジェイドの世界では無属性は”最強”といわれていたが、
この世界では無属性は”最弱”そして”欠陥属性”と呼ばれるほど使い物にならないとされていた。
「やつを監視対象に入れろ」
学生生活は不穏な空気から始まった。
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