第13話

「しかし、あのリィト=ロクスリーの作った村やいう話やから警備も自警団のモンも、もっと凄いんかと思っとったけどそうでもないな。で、うちを目の当たりにしてこれとは、相当の田舎やなここ。平和ボケしとる感じやし、きっと今までスティールされるくらい価値のあるモンすら無かったんやろな。まあ、うちの姿を見てこの反応いうのは、ある意味、嬉しくもあるんやけどな。」


「何を言っているかは分からんがシュタイガーンバオアーを返してもらおうか‼」


 あ、あのKGナイトギア、シュタイガーンバオアーっていうのね。





「それはできへん相談……やなッ‼」

 言葉の溜めから最後のげんを発した瞬間に、跳ねるようにシュタイガーンバオアーと呼ばれたKGナイトギアが自警団の人たちを尻目に急加速して抜かして行く。



 いや、てか、それはそれで大変ではあるんだけど! それよりもッ‼

「ちょッ、何か追いかけているFGファイターギアが少な過ぎなくないっスか⁉」

 追いかけている自警団の最後方のゲズの人に聞いてみる。

 というか、機動性で、その人だけが遅れていて、たまたま声を掛けれるギリギリの距離に居たのが、そのゲズの人だったワケだけど。



「我々、自警団の昼食に、下剤が入れられていたんだよ! 大半の者が腹痛で動けんのだ!」

 ゲズの人も、通信で姿を見せて話してくれる。

 ゲズの人は、角刈りで強面の筋肉質な姿。



 てか、ああ、何か、そういう工作みたいなのを事前にされていたワケですか。



 そういえば、確かに、この自警団のGギア倉庫周辺で、数人の自警団っぽい人たちが、お腹を抱えてうずくまっていたり転げ回っていたりしているねっていう。

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