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 夏休みの夜、プールで泳ごうとひとりで学校に忍び込む。プールサイドへ向かうと、ぱしゃんと水のはねる音が聞こえた。

 誰かがいる? フェンス越しに静かに覗くと、白い尾びれが見えた。人じゃない。


「人魚……?」


 そこにいたのは人魚だった。静かに悠々と泳いでいる。月明かりに照らされる白い髪と鱗に、僕はしばらく目を奪われていた。

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