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「閉館時間です」


 司書さんの言葉に、私はハッとした。どうやら残っている利用者は私だけのようだ。急いで片づけを始める。


「最近、毎日いらっしゃいますね」と司書さんに声をかけられる。

「娘がカナダの方と結婚するんですよ。『よろしく頼みます』と、どうしても英語で伝えたくて……」

「きっと伝わりますよ」


 和英辞書を借りて、私は灯がともる図書館を後にした。

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