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 戦後のNEOネオ-NIPPONニッポン。一人の歌姫の声がスラムを駆け抜けた。その声は鮮烈で、不遜で、聴く人々の身体の芯を片っ端から握り締めていった。液晶の粒が集まってできた瞳は、こちらの想いなど知らぬ存ぜぬ、と言っている。彼女の枯れ木のような指先に触れる日が来るのは、ふたつ季節が変わった後のことだった。

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