23

「主任、みんな呼んでますよ?」


 二次会へ向かう同僚たちに別れを告げて、彼は私と同じ方向に歩き出した。背後で同僚たちの惜しむ声が聞こえる。


「いいんですか、帰ってしまって」

「いいよ、もうほろ酔いだし」


 私を駅まで送ってくれる口実だとわかった。主任はさりげなく私を歩道に寄せる。私もほろ酔いだからだろうか、頬がやけに熱かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る