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「水中花ね」


 隣のベッドの老婦人は、私の手の中のハーバリウムを見つめていた。紫と黄色の小さな花が小瓶の中でゆらめき、病室の窓から差し込む陽光に照らされている。


「旦那が持ってきてくれたんです」


 私が応えると、老婦人はふふふと笑って続けた。


「シザンサスの花言葉は『いつまでもあなたと一緒に』よ。早く元気にならないとね」

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