08

「おねえさんはどこにいくの?」


 バス停で隣に座った女の子に声をかけられた。


「遠くの街に行くんだよ」


 私が応えると、「さみしいね」と女の子は眉尻を下げた。私は首を左右に振る。


「さみしくないの?」


 女の子は不思議そうに私に尋ねた。私は微笑む。


「だって、好きな人と一緒に暮らすために遠い街に行くんだから」

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