第48話エピローグ
俺は男の巨体を軽々と吹っ飛ばし、奴もろとも、そのまま駅の壁に突っ込んだ。
「がべぐへおふごべ」
全身が、わたしの全身が、爆散してない?大丈夫?手足くっついてる?
こういう全身で突っ込んでいく技って、漫画やアニメではよくあるけど、皆すごくない?何事もなく立ち上がるよね?
え?衝撃すごいんだけど。手足もげちゃいそうなんだけど?
「だ、大丈夫か?」
「おいおい手足の向きヤバくないか?」
「はれ?」
意識を失った俺は全治3週間で、王都の医療院の世話になることになった。
「で、今回の件は結局どうなったんです?ハナさん。みんな無事?」
「安心せい。みんな無事や。工房も22区、24区でちから合わせて元通りや。あんたよく、その体勢で話を聞けるな」
目が覚めたら、ハナさんとカリンがいて、そのことを指摘したところ、真っ赤になって涙目なカリンに折檻を受けているところだった。おかしいな、全身の骨が反対に曲がりそうだぞ。
「なんか、治療魔法で、痛みを感じないんです。」
「アホ!その魔法は、魔法切れたときに痛みが一気にくる魔法なんやで!あんたが目が覚めたっちゅうことは、そろそろや!」
「へ?いぎゃぁぁぁ!!痛い痛い痛い痛いいぎゃぁぁぁ!!!」
ピクピクと痙攣する俺を尻目にカリンは、ハナに話を聞く。
「あの大男はなんだったんですか?」
「ん、あぁ、まぁ、結局は、あたしを妬んだ、区長の一部が結託して起こした騒動やった。やつ自体は王都のチンピラで、あたしの組織した杖職人(マエストロ)捕縛隊も大半がやつの仲間だったっちゅうわけや。魔法少女たちはあたし自ら選んだから良かったけど、ほかの連中はまかせとったさかい。あたしもまだまだやな。とりあえず牢屋にぶちこんどる」
「杖職人捕縛隊ってことは」
「なに?ハナさん、こいつを、あたしの家族を捕まえるつもり?」
病室の空気がピリつく。正直全身の痛みで話が半分しか入ってこないが、真面目な顔しとこ。
ε-(`・ω・´)
「ま、そんな怖い顔すんなや、かりん。あと、お前はなんであほ面なん?張り倒すぞ」
え?俺のキメ顔なのに。
「俺は、捕縛されるんすか」
黒い杖は入口付近、ハナさんの後ろ。抵抗しょうがない。
「んー。いやぁ、不思議なこともあるもんやな。工房の職人が魔法少女になるなんて。大活躍だったわぁ。」
「は?」
「あんたらも、観光中災難やったなぁ。おわびと言ったらなんやけど、しばらくウチの客室つかわしたるわ。これで24区は危険な場所ゆーんが広まったら、あかんからなぁ」
「は?」
「察しがわるいやっちゃ。あの事件を知ってるんはあたしたちとチンピラどもだけや。チンピラたちは魔法で記憶をけしたんや。安心せい」
ハナさんはウインクした。
「とりあえず、あんたはわるいやっちゃない。今回はあたしの不手際やからな。それで手打ち。そんなとこや。ただ、区長たちを唆したやつがいるようでな。」
「?」
「全員精神支配の魔法がかけられよったわ。それも1級クラスの。ねーちゃんが解呪を試したけど、無理やったから、相当な使い手やで。きーつけや。体調治ったら工房行ったれよ。心配しとったで。ほな、公務に戻るさかい、ごゆっくり」
区長たちが話してる時、牢屋では
「くっ、あのガキども。おれはあんたの言う通りに」
「はぁ、お前天上の杖を私物化しようとしただろ」
「あ、いや、そうつぁ」
看守たちは泡を吹いて倒れていた。牢の前には一人の男。
「まぁ、黒い杖の解放具合、牡羊座(エリアス)の出現、まぁ、収穫はあった」
「じゃ、じゃあ」
「だが、射手座(サジタリウス)は奪われた。残念だ」
「ひっ、」
彼が杖を取り出して振るうと男は金縛りにあったかのように動けなくなった。
「ばいばーい」
杖を振り下ろすと
グチャッとその場で大男は潰れてしまった。
さて、次の一手を進めよう
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