第4話 人間なんだよ
『悪口が嫌い』と、言っておきながら悪口を言う。
心底どうでもよかった。
先生、先生と言えど、たかが先生、「教師」という職業でしかなくて、気がつけば先生のことを呼び捨てにしてた。
先に生まれただけの存在で、同じ人間なのにこうも違うのかと。
確かに当たり前かもしれない。赤子を大人と同じように扱えと言われればそれは不可能だ。きっと、先生や大人の目にはまだ赤子に見えるのかもしれない。だけど、それでも生きてるんだよ。
『エゴの塊』の一言で片付けられても。
『ガキだから』と除け者にされても。
『黙れ』と注意されても。
全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部『社会に出たら役に立つから』と言えば全部通じると考えて。
そのせいで勘違いしそうになるんだよ。
『此処(学校)が世界の全て』だと。
社会に出れば、課題という名の残業がある。
社会に出れば、登校という出勤がある。
社会に出れば、学力という給料が出てくる。
社会に出れば、下校という退勤がある。
ジェンダーだの多様性だのと喚く癖に、男女で遊べば、
男子には「年頃なんだから」
女子には「間違いがあってはいけないから」
と理由をつけて距離を置かせる。
それを繰り返せばクラスの雰囲気が悪くなる事ぐらい分かるのに、「クラスの雰囲気が悪い」と文句を言う。
ふざけるなよ。
私達は、僕達はお前の玩具じゃねえんだよ。
人間なんだよ。
貴方と同じ、人間なんだよ。
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