第4話 誠実と真理の一晩

これは、市役所勤務の冴えない公務員である誠実の物語である。

今日はめずらしく仕事が早くあがった。

すっかり暗くなった星ひとつない空を見上げた後、腕時計を確認した。

「20時か、寄っていくか」

もちろん、この独り言は自己を肯定するための言い訳だ。

足は迷わずスナック『真理』に向かっていた。俺は『真理』の常連客で、店主の真理さんと仲が良い。

そして、真理さんの一人娘の沙羅ちゃんとも顔馴染みだった。

いつもなら19時には来ているのだが、今日は少し遅くなってしまった。

まぁたまにはこういう日もあるだろう。

それにしても、このスナックはいつも混んでいる。

誠実は、混んでいる店内を抜け出すまでにかなりの時間がかかった。

店内は狭く、人が多いため、誠実はすれ違いながら進んでいくことになった。

そして、ようやくカウンターにたどり着いた。

「お久しぶり、誠実さん!」

真理さんが暖かく声をかけてくれた。

「お久しぶりです、真理さん。今日はめっちゃ混んでますね。」

「そうですね。私たちの楽しい雰囲気のお陰ですよ。どうぞ、お席をご用意します。」

真理さんは、誠実に座ってもらうために席を空けるように手を振っていた。

誠実は、真理さんが指し示した席に座り、メニューを眺め始める。

今日は何を飲もうかな、と考えていると、真理さんが話しかけてきた。

「お久しぶりですね、誠実さん。今日は何をご注文されますか?」

「あ、お久しぶりです。今日は、生ビールを1杯お願いします。」

「はい、1杯の生ビールですね。それと、おつまみはいかがですか?」

「おつまみは、コロッケを1個とカレーライスを1つお願いします。」

「はい、それでは、今日のおすすめ、明太子餃子をお付けさせていただきます。それと、お代わりはいかがですか?」

「いいですね、お代わりも頼みます。ありがとうございます。」

誠実は、真理さんからの注文を受け、さっそく飲み物とおつまみを注文した。

そして、お代わりも頼んだ。

実は、今日は仕事が早上がりだったため、まだ何も食べていないのだ。

そのため、誠実は、今すぐにでも食べ物にありつきたかった。

すると、ちょうどその時、隣のテーブルから声をかけられた。

「ねぇ君!良かったら一緒に飲まないかい?ほら、このスナックでは、たまに同じテーブルに座っている人たちが、会話を楽しむことがあるんだよ。

そういう気分になったら、ぜひ一緒に飲んでみてね。それにしても、あなたは誠実さんでしょ?仕事帰りかな?」

誠実は、隣のテーブルから声をかけられたので、顔を向けると、同じ市役所の同僚の若い男性が座っているのを発見した。

「あ、そうですね。今日は仕事が早上がりでした。そうですね、お酒を一緒に飲まないかというのはお薦めですか?」

「そうだよ。一緒に飲むと、もっと楽しくなると思うんだ。そういうの、たまにはいいじゃないか。ねぇ、そこの真理さん! こっちも1杯生ビールを注文してくれる?」

「はい、それでは1杯の生ビールをお願いします。それと、おつまみは、今日のおすすめの明太子餃子を1個お願いします。」

「お願いします、真理さん。今日は私たちのために特別なおつまみを用意してくださってありがとうございます。」

誠実は、同僚からの提案に喜んで応じ、もう1杯の生ビールと明太子餃子を注文した。

2人は、お酒を飲みながら、仕事やプライベートの話を楽しんでいた。

突然、誠実の同僚が言った。

「そういえば、私、今日から新しい仕事が始まったんだ。地方に転勤することになったんだ。」

「そうですか。それはおめでとうございます。地方に転勤するというのは、どんな気持ちですか?」

「うーん、まだ分からないけど、きっとワクワクしているんじゃないかな。」

「そうなんですね。僕はまだそんな経験がないですが、いつかワクワクしてみたいです。」

「うん、そう思うよね。だから、これからの新しい生活に期待したいな。でも、真理さんと沙羅ちゃんとの別れが悲しいよね。それにしても、真理さんの店、いつも混んでいるね。ずっと続いてくれるといいね。」

「そうですね。私たちも、ここを愛しているし、ここが大好きなので、ずっと続いてくれるよう頑張ります。それにしても、あなたたちが今日一緒に飲めて、うれしいですね。」

「そうですね。今日は運がよかったね。仕事が早く終わり、ここに来られて、同僚と一緒にお酒が飲めるなんて。それに、真理さんが美味しいおつまみを用意してくださったし。それに、沙羅ちゃんも嬉しそうに見てくれてるし。今日は本当に良い日になりそうだよ。」

「そうですね。今日は本当に良い日になりました。それにしても、沙羅ちゃん、今日はちょっと早めに帰っていただいたんですか?」

「はい。今日は早めに帰っていただきました。私たちは、娘を持つ家族ですから、毎日娘がいると大変です。仕事が早めに終わったので、早めに帰って家事を手伝うことにしました。」

「そうですか。それはとても素晴らしいことです。家族を大切にしていることはとても素晴らしいですね。それにしても、真理さんのお店、そろそろ閉める時間だけど、まだまだ集客が続いているね。」

「そうですね。まだまだ集客が続いています。でも、そろそろ閉める時間ですから、お客様にお伝えしましょうか。」

「はい、真理さん。それではお手伝いします。」

誠実と真理さんは、お客さんに閉店時間であることを伝え始めた。

すると、隣のテーブルにいた同僚の男性も同じタイミングで立ち上がってくれた。

そして、お会計を済ませて帰ることになった。

誠実たちは、楽しい一晩を過ごして、お客さんとともにスナック「真理」を後にした。

そして、今日もまた、翌日がやってくるのだ。

楽しい一晩を過ごした誠実は、満足げな気持ちで帰宅し、翌日の仕事に向かった。



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