【短編小説】放課後ジェントルメン ~出会い編~

Yusuke Eigo

1章:エレガントな恋

/都会の街並みの景色と騒音/


凛空「俺は凛空(リク)、20歳の普通の大学生」


凛空「今日は授業終わりに、風に乗って街にナンパに出てきた」


凛空「そ☆し☆て!言ってる側から可愛い女の子を発見!」


凛空「さぁて、クールに決めるぜ!」


凛空「やぁ、そこの麗しいお嬢さん!」


女性「ん?」


凛空「ご機嫌いかがですか?」


女性「はい?」


凛空「良かったら俺と一緒に、エレガントな恋をしませんか?」


女性「い、いえ・・・大丈夫です・・・」


/女性が走って逃げていく/


凛空「あぁっ!ちょっと待って!・・・はぁ、行ってしまった」


凛空「うーん、これで20人連続で声掛け失敗か」


凛空「このジェントルメンな俺の魅力が伝わらずに、残念、無念、好青年!」


凛空「でも!諦めない!頑張れ俺、ファイ!」


/2人の会話を眺めていた男性が凛空に近づく/


ラジオDJ「なぁ、そこの青少年」


凛空「え?」


ラジオDJ「青少年よ」


凛空「俺のことですか?」


ラジオDJ「そうだ、君のことだ」


ラジオDJ「さっきから見ていたが、あまり上手くいっていないようだな」


凛空「ハハハ、見られてましたかー。そーなんですよね、みんな話を聞いてくれなくて」


ラジオDJ「お節介とは分かりつつ、恋にガッツのある君と出会ったのは何かの縁。恋愛マスターの私から貴重なアドバイスを贈ろう」


凛空「恋愛・・・マスター?」


ラジオDJ「女性に声を掛ける時は、相手を安心させる言葉選び。何を一緒にしたいかなど、しっかりと説明してあげないといけない」


凛空「安心する言葉選び・・・何を一緒にしたいか・・・」


ラジオDJ「良かったら試してみたまえ」


凛空「はぁ・・・」


ラジオDJ「おっといけない、収録に遅れてしまう。私はそろそろ失礼するよ」


ラジオDJ「それでは、アディオス!」


/ラジオDJが走り去る/


凛空「あの!・・・行ってしまった・・・変な人だったなぁ」


凛空「女性が安心する言葉選びねぇ・・・うーん、なんだろ?」


凛空「ま!分からないけど、まずはやってみるか、ポジティブシンキング!」


/凛空が周囲を見渡す/


凛空「あの大時計の下の女の子・・・今のふわっと髪をかき上げた仕草・・・ベリーキュートだ。セミロングの髪型も素敵だし」


凛空「同い年くらいかな?ダメ元で声を掛けてみようか、チャレンジレンジ」


/凛空が海澄に近づく/


凛空「んん、そこのお姉さん!俺とフルーティーな恋っ・・・!」


海澄「え?」


/ラジオDJのセリフ脳内再生「安心する言葉選び・・・」/

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