【短編小説】仮面婚活パーティー

Yusuke Eigo

1章:開演

スミス「レディース&ジェントルメン!」


スミス「皆さま、今宵は本イベント、仮面婚活パーティーへのご参加、誠にありがとうございます」


スミス「私は今回のイベント主催者であり、司会も勤めます、スミス・武田と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます」


/ 参加者の拍手 /


男性客A「いやぁ、胸が高鳴ります。ワクワクしますね。」


女性客B「そうですね!素敵な出会いを見つけないと。あっ、イケメン発見!」


スミス「今日は私にとって大事なイベント。よってぜひとも成功させたいですし、みなさんにとっても素敵な1日になることを心から願っております」


/ 参加者の拍手 /


スミス「さて、開演に先立ちまして、皆さまにご連絡事項を申し上げます。本日のイベントでは、皆さん仮面で目を覆っていただきます。これは、外見や年齢を気にせずにお話を楽しんで頂きたいとの想いがあるためです。最初はそれぞれ胸につけて頂いたネームプレートを見ながら、気軽に声を掛けましょう」


スミス「さぁ皆さん!ご準備はよろしいでしょうか?」


女性客C「ごめんなさい、このお面のサイズ違い無いかしら?さっきからずっとゴワゴワするのよねぇ・・・」


スミス「えぇ、もちろんございますよ。すぐ手配しましょう」


女性客C「 助かるわ~!・・・あらっ」


/ 女性客Cの仮面が外れる /


女性客C「やだ!もぅ、ゴム紐が切れちゃったわ」


スミス「大丈夫ですか・・・お・・・や?」


スミス「か、母さん!?」


スミス母「母さん?・・・え?もしかして・・・なおとなの!?」


スミス母「ちょっと!あんたなんでここにいるのよ!?」


スミス「こ、こっちのセリフだよ!それに、名前で呼ぶな!今はスミス!」


スミス母「誰よスミスって!なおと、あんた仕事は・・・研究職じゃないの?心理学の!」


スミス「こ、これは・・・恋の研究・・・みたいなもんだよ!」


スミス母「どういうことよ!」


スミス「母さんこそ!何でここにいるのさ!?・・・ネームプレート・・・プリンセス・ラブ?・・・え?」


スミス母「お父さんと離婚してもう2年・・・あたしだってね、新しい恋をしたいの!前に進みたいのよ!」


スミス「えっ!?母さん離婚してたの!?聞いてないんだけど!?」


・・・


/ 観客がざわつく /

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