第6話 幽霊はおばあちゃん?
これは 私が10〜11歳くらい頃の話である。
私はずっと姉と一緒の部屋だった。
その頃、母方の祖母が
一緒に暮らし始めた。
姉と祖母が一緒の部屋で寝ることになり
私は両親と弟と四人で
布団を並べて寝ることになったのだ。
ある夜、ふと目を開けると、
私は両親や弟の方を向いていた。
「だれ?」
その頃の私は裸眼でもしっかりと景色が見えていた。父の枕元に、白い着物を着た女の人
が座っている。
井戸の井の柄の浴衣のようだった。
誰だろうと思いながら、ずっと見ていたら
だんだんとこっちに振り向いてくる。
「怖い!」
なぜかそう思い、布団を被った。
しばらくして、そっと顔を覗かせてみると
そこには、もう誰もいなかった。
翌朝、朝食時に、父にその話をした。
「ねえ、お父さん、昨夜、お父さんの枕元に白い着物を来た女の人が座っとったよ。多分死んだおばあちゃんのような気がする」
「見たんか?」
「うん」
「なんかの、お墓を直してくれ言うてきた」
と父が言った。
「お墓をなんとかしてくれ、お墓、お墓、ばっかり言うてくる」
「お墓、ちゃんとしたらなあ。駄目じゃな」
昭和20年から30年の間で祖母は若くして亡くなったようだ。
その頃の我が家のお墓は山の上にあった。お墓参りには、まず山登りもしなくてはならない、祖父母二人だけで先祖の墓はない。
そして二人のお墓は土葬である。
台風で山が崩れたこともあり、お墓参りもままならない時もあった。
墓地を買ってお墓を建て遺骨を移動することとなり、天気の良い日にそれは行われた。
土を掘り起こすと、祖父と祖母の遺体が二体並んで眠っている。肉はとっくに土にかえっていた。だから骨だけが綺麗に並んでいる。
祖母の頭蓋骨には長い髪の毛がへばりついていた。みんなで骨を拾った。
今現在も、私の頭の中にはあの情景が鮮明に残っているが、それは決して嫌な印象ではない。
清々しかったことも覚えている。
父は2014年に亡くなった。
母 現在78歳
コロナの影響で三年会っていない。
昨日も電話で滅多に言わない言葉を母が言った。
「会いたいね〜」
と、確かにあまり時間は残されていない
だけどコロナ感染が心配で帰郷を躊躇う。
後悔先に立たず
どこかで帰らなきゃ、
お墓参りも、行かなきゃなんねえな😔
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