第37話 マッドサイエンティスト

テソさん…?なぜそんな…


「なんでそんなことしたの?」


さっきとは打って変わって、ニアが真剣な声で詰め寄る。

俺も追撃しなきゃ。


「ちょっとこの世界を壊せる薬を開発してたんです」

「なんて?」

「ちょっとこの世界を壊せる薬を開発してたんです」

「2回も言わなくていいが」

「何この人理不尽。爆発させてやろうか」

「ごめんなさいもうしません(秒速土下座)」

「よろしい」


このひとこわぁい…マッドサイエンティストだ…


「うん、なんで世界を壊せる薬作ってたの?」


俺は頼りにならないと思ったのかニアが聞き始めた。頼りになんなくてごめんなさい。


「まあぶっちゃけ、めっちゃ興味ある」


おい。世界を壊す薬に興味持つなよ。

一瞬でもニアがまともだと思ったのが終わりだった。だめだもう。


「いや、そこのメシュに王女を殺せって言われたんで」


スンッ


みんなのしせんが メシュ に つきささる!

メシュ に 精神的 ダメージ 9999!!


「おいメシュ!! 説明し終わる前に死ぬな!!」

「ハッッ!? そうでしたごめんなさい!」


[なんやこの茶番]

わっかんね


そして、メシュが俺に耳打ちして説明した。


「私はラスボスが王女様だと思って殺そうとしました。それで発明が得意なテソに頼んだんです。まあ王女がラスボスじゃなかったっぽいんですけどね。」

「なるほど…勘違いがこれをよんだって感じかな。………ん? でもそれがどうやって側近の死に繋がるの?」

「えっと、その薬を落として爆発させちゃって。」

「おい」

「近くに置いてあった”今頭に浮かんだ人を殺す薬”が発動しました。」

「わお」


なんかデンジャラスすぎて語彙力が消え去ったよどうすんだ


「王女様とその近くにいた…なんていうんだっけあの人。ああ側近っていうのか(パリーン) ……あっ」

「んー君なかなかやべー奴だなさては」

「ってことで逮捕しちゃっていっすよ」

「え? あっああ私の側近を殺したから牢屋送りね。ただその開発はすごいから特別なブースでも作ろうかしら。ニア達は魔王を倒すんでしょ? そのための物とか作らせておくから、気が向いたら来てねー。」


と、王女が締めくくった。


……なんかすごい速さで話が進んでくな、こわ………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る