ロシアにて 第四部～ਚਿੱਤਰ/>イマージェ-Л-

第十九話 「свет(光明)」

「(何なんだ、この場所は....)」

"カッ　カッ　カッ　カッ.....

「(....遺跡、か何かか)」

"ガラッ...."

視界一面が雪の中でたまたま見つけた

石造りの建物の中へと入り、河野はその一室の中で

少しの間スサケフスキと話をすると、

建物に何か使えそうな物は無いかと思い立ち、

あまり広くは無さそうな瓦礫が転がっている

通路を歩いて行く―――――

「(これから――――)」

"ガラッ"

何故こうなったのかは分からないが、

今、自分はN/Sと呼ばれる国家捜査機関に追われ

訪れた事も無い、まるで見知らぬ場所で

何の目的かも分からず、何かを探している....

「(・・・・)」

"逃げる必要があるのか"

"ガシャッ....

瓦礫だらけの廃墟の中で、

足を立ち止まらせる....

「(見た所、どう見てもあのN/Sの捜査員達は

　 俺がフォエドシーに賄賂を贈ってた事は

　 当然の様に気付いてる....)」

"カタンッ"

「オッ　アブネエ――――」

自分の足元に崩れ落ちて来た瓦礫の破片を

スサケフスキが避ける

「(ツベフォフ・・・・

　 アイツも、俺と同じ様にN/Sの捜査員に

　 追われていた様だ...)」

一瞬、

"自首した方がいいのでは無いか"

その考えが頭に過るが

【Коно, кажется у тебя

　хорошая интуиция

（コウノ...アナタは、

　どうやら"勘"のいい人のようだ....)】

「(・・・どの道、あのN/Sの捜査員を

　 蹴り飛ばして、今俺はこうして

　 あいつらから逃げ回ってる....)」

「ヒョォォオオオオっ　

　サキガミエネエヨォォォオオオッ―――？？」

「(それに、スサケフスキも何故か分らんが

　 この場所にいて、特に向こうの捜査員と

　 協力してる訳でも無さそうだ....)」

「オッ　ゴウナッ　

　アカリ！　アカリガミエルゼッ！？」

「(・・・だったら...！)」

"このままN/Sの捜査から逃れツベフォフを探す"

「(あの、岩肌の前の様子だと

　 多分、ツベフォフはこうなる事が

　 分かってたんじゃないか・・・？)」

【Коно ты тоже здесь?

（河野、アナタもこの場所に....？)】

「(もし、今起きてる事があのツベフォフの

　 考え通り...ツベフォフの考えに

　 沿って進んでいるなら、ツベフォフには何か

　 "手"があるんじゃないか....？)」

「オイッ　ゴウナッ　アカリッ！？

　アカリッ！？」

「(・・・どうせ、逃げ回ってる所だ。

　 今更自首しても、逃げ回った後に捕まっても

　 大してその後の結果は変わらないだろう...)」

"フオオオオオォォォ――――....

「(そう言や、こんなのもあったな...)」

"エモイソード"

「(隆和が持ってたあの銀の瓶に

　 括り付けられてた様だが...)」

「オッ！？　ゴッ！　ゴウ....ッ

「―――何だ」

「ム、ムコウ――――」

「(明かり....)ッ！」

「ォッ、　ゴ、ゴウナ―――！」

「(・・・・)」

自分達が今歩いている瓦礫だらけの

通路のかなり先の方に、鈍く光る

明かりの様な物が見え、河野は

その明かりに向かって勢いよく駆けだす――――！

「(・・・・っ！)」

「ゴ、ゴウナッ、――――！」

「(何か――――