第14話

私は眠った。昏々と眠りを享受した。

次に起きた時には母と会った時のあの激情はいなくなっていた。


 落ち着いた自分に安心して、いつものように夢を確認する。

すると、それはいつもと同じではなかった。

どの夢を見ても同じ夢を見ている。

夢の履歴を全て確認するが、どれも同じ夢でしかなかった。映像も荒く商品にならない。

唇が震えているのを感じる。


 手の甲のチカチカと青い点滅が連絡の多さを伝えている。

ほとんどがパンからの連絡だった。


「夢の更新がされていないようです。確認して下さい。 パン」

「また同じ夢が転送されました。一度連絡をお願いします。 パン」

「今回の夢も見送らせて頂きます。 パン」

「新しい夢の転送をお願いします。 パン」

「この夢も不可とします。 パン」


「少しの間、お休みすることをお勧めしますよ。アヴァさん。 パン」


ベッドサイドの花は腐って枯れていた。

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