第14話
私は眠った。昏々と眠りを享受した。
次に起きた時には母と会った時のあの激情はいなくなっていた。
落ち着いた自分に安心して、いつものように夢を確認する。
すると、それはいつもと同じではなかった。
どの夢を見ても同じ夢を見ている。
夢の履歴を全て確認するが、どれも同じ夢でしかなかった。映像も荒く商品にならない。
唇が震えているのを感じる。
手の甲のチカチカと青い点滅が連絡の多さを伝えている。
ほとんどがパンからの連絡だった。
「夢の更新がされていないようです。確認して下さい。 パン」
「また同じ夢が転送されました。一度連絡をお願いします。 パン」
「今回の夢も見送らせて頂きます。 パン」
「新しい夢の転送をお願いします。 パン」
「この夢も不可とします。 パン」
「少しの間、お休みすることをお勧めしますよ。アヴァさん。 パン」
ベッドサイドの花は腐って枯れていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます